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仙台育英がPK戦で日大藤沢を退け30年ぶり8強へ!!35歳の元Jリーガーが主審として試合を裁く

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仙台育英高がベスト8へ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 選手権3回戦 仙台育英高0-0(PK9-8)日大藤沢高 等々力]

 第98全国高校サッカー選手権3回戦が3日に各地で開催された。等々力陸上競技場の第2試合では仙台育英高(宮城)と日大藤沢高(神奈川)が対戦し、0-0でもつれ込んだPK戦の末、仙台育英がPK9-8で勝利。宮城県勢として19年ぶり、仙台育英として30年ぶりのベスト8進出を果たした。準々決勝は5日に行われ、同会場で帝京長岡高(新潟)と対決する。

 1回戦の五條高(奈良)戦(1-1、PK3-0)、2回戦の高川学園高(山口)戦(1-0)と接戦を制して勝ち上がってきた仙台育英と、初戦となった2回戦の広島皆実高(広島)戦(3-1)で快勝を飾った日大藤沢の一戦。現役時代に甲府、草津(現群馬)、富山でプレーし、引退後に審判員の資格を取得した御厨貴文氏(35)が主審としてこの試合を裁いた。

 先に主導権を握ったのは日大藤沢。最終ラインからMF植木颯(1年)を経由して組み立てるパスワーク、リズムを変えるサイドチェンジ、セットプレー、個人技など、多彩な攻撃で次々とチャンスを作り出していく。

 対する仙台育英はサイド攻撃を主体に打開を試みるが、前半20分に日大藤沢の右サイドバックを務めるDF岡田怜(3年)に背後を取られ、GK佐藤文太(3年)と1対1のピンチ。しかし、岡田が右足で打ったシュートはGK佐藤が防いだ。

 日大藤沢が好機を生かせない展開が続く中、仙台育英は前半28分に左CKの混戦から押し込むチャンスを迎えるが、御厨主審にオフェンスのファウルを取られる。前半はそのままスコアレスで終了を迎えた。

 後半も日大藤沢が攻め込み続ける。後半16分には幅を使った攻撃から右サイドのMF斉藤夏(2年)が右足で正確なクロスを供給。中央で複数の選手が飛び込むが、合わせることはできない。さらに同25分、MF植村洋斗(3年)が左45度から右足でシュートを放つ。しかし、DFに当たって枠を外れた。

 日大藤沢は終了間際にFW布方叶夢(3年)がPA内左に抜け出すビッグチャンスを迎えたが、GK佐藤が好セーブ。粘る仙台育英の守備を最後まで崩せず、0-0で80分間が終了した。

 PK戦は7人目まで全員が成功。先攻の仙台育英は8人目のDF中川原樹(3年)のシュートがGK濵中英太郎(2年)に止められるも、後攻の日大藤沢DF古谷陸(3年)のシュートを仙台育英GK佐藤が執念で阻止する。

 9人目で両チームが決め、10人目の仙台育英MF島野怜(1年)が成功させると、日大藤沢10人目のキッカーを務めた植木のシュートをGK佐藤が見事にストップ。劣勢だった仙台育英がPK戦を9-8で制し、準々決勝への切符をつかみ取った。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2019

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