beacon

矢板中央MF左合修土が怒涛の3戦連続弾!「まずは無失点」から一瞬の隙突く股下スナイプ

このエントリーをはてなブックマークに追加

矢板中央高MF左合修土が値千金の追加点を挙げた

[1.3 選手権3回戦 矢板中央高 2-0 鵬学園高 フクアリ]

「ゼロにすることが一番意味がある」とMF左合修土(3年)は完封勝利にこだわりを見せる。県予選は全4試合で失点を喫し、選手権1回戦でも2回戦でもゴールを許した。失点続きの矢板中央高がようやく3回戦で掴んだ守備の形。前半14分に先制してから後半37分まで耐え抜くと、最後はその左合が自身の追加点で勝利を決定づけた。

 1回戦、2回戦に続く3試合連続弾。後半37分に敵陣近くの左サイドでボールを奪うと、一気にPA左に入り込む。相手GKが飛び出したところを冷静に左足シュート。GKの股下を通ったボールはゴールマウスに吸い込まれた。

 左合は「後半途中からボールロストが目立っていた」とターゲットを絞っていた。「いつか狙えると思って、苦しい時間帯で1点を取ればチームが楽できると思ったので」とスコアラーとしての矜持も見せるが、「それよりも無失点が嬉しい」と喜びは控えめ。「全員で守って全員で攻撃するのが矢板中央の特徴なので、今日はそれができた」とチームの勝利を強調した。

 高橋健二監督は選手全員の成長を語る中で、左合について「よく私に注意されたり、色々怒られたりしているんだけど、今日初めて褒めてあげたい」とその関係性を冗談交じりに語る。そういうやり取りもあったからか、寮内では「見返してやろうと話していた」と左合も明かしていた。

 昨年度の選手権で左合やDF長江皓亮(3年)はベンチ入りしていたものの、ピッチに立つことはなかった。「去年のチームは個が強くてひとりで打開できる選手がいっぱいいた」。1個上の代は快進撃を続け、ベスト8進出を果たした。しかし自分たちは1試合も出られず「この舞台に戻ってきたい」と左合は心の中で堅く誓っていた。

 そして舞い戻った選手権という晴れ舞台。左合は3試合連続でゴールを挙げる。ベスト8進出には「去年の代に並べてうれしい」。同じ8強入りだが「今年のチームは個々で打開できる選手があまりいないので、チーム力が上がった結果がこのベスト8だと思います」と昨年度との違いを語った。

 5日の準々決勝・四日市中央工高戦で勝利すれば、2009年度、17年度と2度成し遂げた最高成績のベスト4に並ぶ。4試合連続ゴールも期待してしまうが、左合は「まずゼロ」と無失点を強調。「チームの雰囲気は良い。チーム力をもっと上げて一丸となっていけば、自分たちなら勝てる相手だと思っている」。自分たちには自分たちのスタイルがある。まずは無失点。そして一瞬の隙を突き、チームのためにゴールを奪う。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2019

TOP