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サッカー王国からの優勝候補、静岡学園が唯一の“完封3連勝”で8強入り!

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ベスト8入りを果たした静岡学園高の選手たち(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 全国高校選手権3回戦 静岡学園高2-0今治東中等教育学校 駒沢]

 第98回全国高校サッカー選手権は3日、3回戦を各地で行い、駒沢陸上競技場の第1試合は静岡学園高(静岡)と今治東中等教育学校(愛媛)が対戦した。前後半の立ち上がりに1点ずつを奪った静岡学園が2-0で勝利。全チーム中唯一の3試合連続完封勝ちで、前回出場時の同校以来となる静岡県勢5年ぶりの8強入りを果たした。

 今大会唯一の2日間連戦だが、両チームともに前日の2回戦と同じスターティングメンバーが起用された一戦。前半4分、ここまで9得点0失点の静岡学園がさっそくスコアを動かした。MF井堀二昭(3年)の直接FKがゴールを襲った流れから、波状攻撃のこぼれ球をMF浅倉廉(3年)が収め、コントロールしたミドルシュートを突き刺した。

 さらに前半11分、静岡学園はここまで2試合3得点のMF小山尚紀(3年)が左サイドを突破し、低いクロスを供給。これが今治東の守備陣に当たってゴール方向に飛んだが、クロスバーに弾かれた。その後もサイドと中央をバランス良く使った崩しで一方的に相手を押し込み、完全に主導権を握っていた。

 それでも徐々にポジショニングが安定した今治東も盛り返す。前半30分、MF岡本航汰(3年)の縦パスを起点にFW高瀨太聖(2年)、FW尾上哲史(3年)と繋がり、スルーパスにFW山中建斗(3年)が抜け出すもオフサイド。36分には尾上のスルーパスが高瀨に入ると、合わせるだけのクロスが入ったが、ニアに飛び込んだ山中とはわずかに合わなかった。

 すると1-0で迎えた後半7分、次に試合を動かしたのも静岡学園だった。右サイドから猛烈なスピードでドリブル突破をしかけた松村が左サイドまでたどり着くと、クロスは相手DFにクリアされたものの、このボールを収めたのが小山。目の前には3人の守備陣がわずかなスペースを守っていたが、足裏や足先を巧みに使って次々突破し、左足シュートで冷静に決めた。

 今治東は後半13分、浮き球のスルーパスに抜け出した高瀨が思い切ったボレーで狙ったが、GK野知滉平(2年)がスーパーセーブ。静岡学園は後半21分、背番号9のFW加納大(2年)が大会初出場を果たした。その後も攻め続けた静岡学園は後半終了間際、途中出場MF渡辺怜歩(2年)のゴールがファウルで取り消される不運もあったが、完勝と言える内容で8強入りを決めた。

 それでも静岡学園の川口修監督は試合後、「(チームが目標とする)3点取りたかったが、取れなかったので決定力、崩すバリエーション、強度を上げたい」と攻撃力に満足せず。完封が続く守備面についても「本当はボールを握りながら攻撃をさせないのがうちのスタイルだが、パスを引っかけられてカウンターにつながる場面があった」と課題を述べた。

 静岡県勢にとっても静岡学園にとっても5年ぶりの8強だが、ここは一つの通過点。GK山ノ井拓己(福岡)やFW旗手怜央(順天堂大→川崎F)らを擁した「うまさも技術的なレベルも違うし、守備は5年前のほうが良かった」世代を回顧した指揮官は「前回出場した代を超えるということでそこを突破したい」と2日後の準々決勝・徳島市立高(徳島)戦を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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