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徳島市立初の選手権8強もDF田内悠貴は「越えるのが目標」

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3バックの中央に入る徳島市立高DF田内悠貴(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.3 全国高校選手権3回戦 徳島市立高1-0筑陽学園高 駒沢]

 2試合連続で完封した徳島市立高(徳島)が3回戦を突破し、史上初の選手権8強入り。「トーナメントに勝つためにまず失点しないこと」という河野博幸監督のプランを完遂した。

 徳島市立の守備陣は3バック右のDF渡邉浩章(2年)が182cm、左のDF三倉頼真(2年)が186cm、そしてGK中川真(3年)が188cmと長身の選手が並ぶ。そんな中、3バックの中央で守備の中心を担うのが173cmのDF田内悠貴(3年)だ。「味方を動かしながら組織的に守るので、自分が率先してリーダーシップをとりながら、ポジショニングや距離感をつねに考えながら指示を出しています」。ディフェンスリーダーは、「頭を使ったプレーが得意」だと自負する。

 173cmと大柄ではない田内は、徳島市立に入学したてのころはフィジカルで苦労していた。「背が高い選手や身体能力が高い選手が多いので、自分がどうやったら生き残れるのか考えながらプレーしました」。監督やコーチのアドバイスを聞き、トッププレイヤーの動画を見て学んだ。「自分と身長が近い(ファビオ・)カンナバーロ選手は参考にしました」。175cmながら、守備の国イタリアで長らく代表のセンターバックを務め、バロンドールも獲得した名手の名前を挙げた。

 これで徳島市立は夏のインターハイから通して、全国6試合のうち5試合で無失点となった。しかし、失点した1試合に悔いが残る。インターハイ準々決勝の富山一(富山)戦で、3失点を献上して敗れている。「自分たちは夏にインターハイでベスト8で負けてしまったので、そこを越えるのが目標です」。田内は選手権8強入りも浮かれた様子はなく、その先を見据える。

 5日の準々決勝では、静岡学園(静岡)と対戦。ここまでの3試合で11得点0失点と攻守で圧倒している。1年次に静岡学園と対戦経験がある田内は、「足元が上手い」印象を持っている。「ボールを持つ相手だったら出てきてくれるので、そこでしっかり止めてカウンターに出たら自分たちにもチャンスはあると思う」。徳島市立の守備力の真価が問われる一戦だ。

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2019

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