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徳島市立の堅守攻略!静岡学園が4発勝利で23年ぶりに準決勝進出!

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前半16分、静岡学園高CB阿部健人が先制ヘッドを決めてガッツポーズ

[1.5 選手権準々決勝 徳島市立高 0-4 静岡学園高 駒沢]

 堅守攻略の静学4発4強入り! 第98回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝を行い、静岡学園高(静岡)がCB阿部健人主将(3年)の先制ヘッドとFW岩本悠輝(3年)の3得点によって4-0で徳島市立高(徳島)を破った。静岡学園は96年度大会以来23年ぶりとなる4強入り。1月11日の準決勝で矢板中央高(栃木)と戦う。

 2試合連続の無失点(インターハイを含めると全国大会6試合中5試合で無失点)で夏冬連続全国8強を果たした徳島市立と、今大会3試合を11得点無失点で勝ち上がってきたV候補・静岡学園との準々決勝。開始直後に徳島市立MF野口蓮太(3年)が右足シュートを打ち込んだが、その後は静岡学園がボールを支配する展開となった。

 静岡学園は伝統的に個々の技術力、インテリジェンスの高いチーム。加えて今年は、鹿島内定MF松村優太(3年)とMF小山尚紀(3年)という強力なドリブラーを擁し、攻撃から守備への切り替えの速さも特長としているチームだ。

 前半は敵陣に押し込んでボールを保持し続けながらも、守備に重きを置いて戦う徳島市立も簡単には穴を開けない。ミスパスをインターセプトして速攻に移ろうとしていた。だが、静岡学園は奪い返しが非常に速く、相手にカウンター攻撃を許さない。

 16分には左サイドで一度ボールを失いながらも小山と岩本の2人で奪い返してCKを獲得。この左CKをMF井堀二昭(3年)が右足で蹴り込むと、中央でタイミング良く跳躍した阿部が豪快に頭でゴールに叩き込んだ。

 静岡学園は21分にも敵陣左サイドで献身的にボールを追った岩本がFKを獲得。このFKを二堀が右足で蹴り込むと、岩本がニアで合わせる。このボールがファーサイドのポストを弾いてゴールに吸い込まれた。

 徳島市立はDF三倉頼真(2年)のロングスローなどからゴール前のシーンを作ろうとする。また、こぼれ球から間髪入れずにFW木村広也(3年)が右足シュートを放つなど追い風を活かしてミドルレンジからでも積極的にシュートを放っていた。

 だが、静岡学園は攻守で徳島市立を圧倒する。MF藤田悠介(3年)や二堀らがボールを奪い返すと、松村が個で2人、3人とかわしてクロスを上げきり、MF浅倉廉(3年)が絶妙なポジショニングでボールを受けてシュートに持ち込むなど攻め続ける。

 そして、39分、静岡学園は自陣でボールを奪い返し、右サイドへ展開。松村が縦に切れ込んでからクロスを上げると、ファーサイドの岩本が頭で決めて3-0とした。

 後半、徳島市立はボランチのMF川人太陽(3年)を前線へ上げて1点を返そうとする。右WB平佑斗(3年)のクロスや三倉のロングスローから反撃するが、後半も静岡学園ペース。最前線で献身的に走り続ける岩本を筆頭にハードワークを続け、随所でテクニックを発揮して見せる。

 静岡学園は後半30分にも、左クロスのこぼれ球を拾った岩本が右足シュートを右隅に決めてハットトリック達成した。守備でもほほ隙を見せずに4-0で勝った静岡学園が、静岡県勢では07年度大会の藤枝東高以来12年ぶりとなるベスト4進出。静岡復権、同校にとって悲願の単独日本一へ前進した。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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