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[MOM3140]矢板中央FW多田圭佑(2年)_「スーパー2年生」がシュート2本で千金2発

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2ゴールの活躍を見せた矢板中央FW多田圭佑

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 選手権準々決勝 矢板中央高 2-0 四日市中央工高 駒沢]

 チャンスを確実に生かした。前半、風上に立った矢板中央高(栃木)が効果的に得点を重ね、2点リードを奪ってからは持ち前のハードワークで四日市中央工(三重)の反撃をシャットアウト。FW多田圭佑(2年)の2ゴールが2大会ぶり3度目の4強へ導いた。

 前半12分、右サイドのMF柿崎貴翔(3年)が左足に持ち替えてゴール前にクロス。多田がオフサイドラインぎりぎりから飛び出し、ワントラップから右足で流し込んだ。

「すごくいいボールが来て、DFラインがボールウォッチャーになっていた。抜け出して決めるだけだった」。そうアシストに感謝した多田は1回戦の大分戦以来、3試合ぶり今大会2得点目。前半20分にはハイプレスから追加点を奪った。

 四中工の最終ラインでのビルドアップにプレッシャーをかけた多田がDF鐘ヶ江秀太(3年)からボールを奪取。そのままドリブルで持ち込み、GKとの1対1を制した。「DFラインのポゼッションのミスはずっと狙っていた。(相手の)トラップが大きくなったところを狙いどおりに取れた。芝が少しボコボコしていて、絶対にミスがあると思った」と胸を張る。

「裏への抜け出しとこぼれ球への反応」を自身の武器と話す多田について高橋健二監督は「抜けていったら思い切りがある選手で、パンチ力のあるシュートも持っている」と評する。夏の全国総体2回戦・丸岡戦ではPK戦で失敗し、チームが敗れる悔しさも味わった。この日はシュート2本で2ゴール。「プリンスリーグでもシュートを外す場面が多くて、ずっとシュート練習をやってきた。その成果が出た」(多田)と、大舞台で自身の成長を証明した。

 2年生FWの活躍に対し、先制点をアシストした柿崎は「スーパー2年生」と感謝の思いを口にする。「3年生ともっと長くやりたいし、次は埼玉スタジアムで試合ができる。絶対に自分が決めて、次も勝って、先輩方と優勝したい」と多田。過去2度の準決勝はいずれも敗戦。“三度目の正直”で初の決勝進出を成し遂げた先には悲願の日本一が見えてくる。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

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