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4歳からゴール裏、貫くヴォルティス愛…徳島市立の大型MF川人太陽、選手権終え次のステージへ

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183cmの大型ボランチ徳島市立MF川人太陽(3年)

[1.5 選手権準々決勝 徳島市立高 0-4 静岡学園高 駒沢]

 徳島市立高(徳島)は夏冬8強という軌跡を残し、大会から姿を消した。183cmの大型ボランチMF川人太陽(3年)は「一番弱いと言われた代でしたが、この大会でも守備の力は見せられた」と前を向いた。インハイと選手権、ともに無失点でこそ勝ち上がってきた堅守のチームに、前半の3失点は重くのしかかった。

 中盤で存在感を放つ川人はチームの中心選手。ボール奪取から展開して攻守をつなげば、複数のポジションをこなす。この日はボランチの一角で先発すると、後半途中からは2列目にポジションを上げてプレー。ボールをおさめて前線で起点をつくったものの、反撃は及ばなかった。

 J2徳島ヴォルティスを愛し、サポーターの顔も持つ高校3年生。両親の影響もあり、4歳からゴール裏の住人だ。「ホンマの、ガチなファンなんです」。プレイヤーとしても、小学6年時に徳島ジュニアユースの入団テストを受けたが、狭き門を突破できず。プルミエール徳島を経て、徳島市立で成長を遂げてきた。

 目標とする選手は、同じくボランチの徳島主将MF岩尾憲だ。「周りがよう見えてるし、落ち着いてる。攻守でも本当に貢献している。岩尾さんがおらんかったら、ホンマにヴォルティスは成り立たたん」。高校サッカーに捧げた3年間は選手として多忙を極める傍ら、ヴォルティスに勇気をもらった。約1か月前、徳島はJ1昇格プレーオフを勝ち上がる躍進を遂げたが、J2代表として挑んだ決定戦で湘南を打ち破ることはできなかった。

「今日の選手権と同じくらい悔しかったし、泣いた」。今大会中はヴォルティスサポーターからもSNSにメッセージが届くなど応援を受け、「力になりました」と感謝した。卒業後は産業能率大に進学し、大学サッカーで飛躍を遂げるつもりだ。その先はもちろん、愛する徳島ヴォルティスへの加入を目指す。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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