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関西学院は自信つける6試合に。1年時選手権経験の注目左SB福島「泥臭くても結果、勝ち切ることを求めてやりたい」

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関西学院高は今年、2年ぶりの選手権出場を目指す

[1.6 NB CUP準決勝 関西学院高 0-1 東海大大阪仰星高 時之栖裾野G]

 関西学院高(兵庫)は早すぎる失点でリズムを崩し、受けに回る展開に。セカンドボールを拾われ続けるなど押し込まれる中、前半途中から主軸のFW田川翔大(2年)とMF馬渕竜希(2年)を投入して立て直しを図ると、後半は東海大大阪仰星高(大阪)を押し込んで攻め続けた。

 ボールを保持して主導権を握った関西学院は、MF田村亮弥(1年)のドリブル突破などもアクセントに反撃。ゴール前のシーンを増やしながらも、東海大仰星の堅守を破れずに敗れてしまう。それでも、4日間で強豪と計6試合の真剣勝負を経験。パワーのある日本文理高(新潟)や技術力の高い八千代高(千葉)に競り勝つなど、自信をつける大会となった。

 山根誠監督は「良い相手とやらせてもらった。今年はチームワークも良いし、選手層も厚い。粘り強さはあると思う」と分析。関西学院はこのニューバランスカップを冬休みの一つの目標とし、大晦日、元日もトレーニング。準々決勝で惜敗した相手の藤枝東高(静岡)の代役として準決勝出場権を得る幸運もあったが、選手たちは特長としている声や運動量、ショートカウンターで得点する部分を発揮するなど、全国クラスの強豪相手にも戦えるという手応えを得て大会を終えている。

 ゲーム主将を務めた左SB福島淳平(2年)は「(年末年始の練習も、今大会も)選手権に向けてなので、これも通過点としてやっていく中では良かったです」。ただし、過信にするつもりはない。進学校で文武両道の関西学院は、サッカーだけでなく高い学力も必要。他の強豪私学に比べても部員数は多くない。兵庫県内には、このニューバランスカップで優勝した滝川二高や選手権出場の神戸弘陵高、県立西宮高、三田学園高などライバルも多数。勝ち抜くことは簡単なことではない。

 それでも、福島は「去年も選手権出ているし、言い訳はできないと思う」と力を込める。関西学院は17年度の選手権予選で準優勝し、18年度は50年ぶりとなる兵庫制覇。19年度はベスト4で敗れたが、先輩たちが兵庫上位で戦い、全国出場を果たしている姿を見ているだけに、勉強面などの言い訳はできないと考えている。

 特に、神戸U-15出身の注目SB福島は1年時の選手権で先発を経験。リーダーの一人として迎える今年は意識の面から変わってきているという。「これまでは引っ張ってきてもらった。この代では自分が引っ張っていくという意識が強い。コーチングが少ない方だったけれど最近は意識してやっている」。ピッチでも特に存在感ある動き。準決勝でも左サイドで東海大仰星からボールを奪い取り、冷静にボールを動かすなど余裕のあるプレーをしていた。スピードとロングキックの質を武器に、強豪相手でも存在感を示したDFは、チームを声と背中で引っ張ることを目指す。

 福島は「去年の網谷(周世)先輩にも言われたんですけれども、『結果を求めてやれ』と言われたので、泥臭くても結果、勝ち切ることを求めてやりたい」。19年度は兵庫県1部リーグで優勝もプリンスリーグ関西参入戦はPK戦で惜敗。選手権予選でも優勝校の神戸弘陵に0-1で敗れている。昨年は力があると言われていた世代だが、結果を残すことができなかった。それだけに、今年は1年時に全国を経験している福島やFW坂本龍之介(2年)らが中心となって、泥臭く勝ち切るチームに成長して、必ず全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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