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[MOM3146]滝川二FW岩澤秀人(2年)_「何していたんやろう」の試合きっかけに変化した新エース

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後半35分、滝川二高FW岩澤秀人が決勝点の右足PKを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP決勝 東海大大阪仰星高 0-1 滝川二高 時之栖裾野G]

「NEW BALANCE CUP 2020 新春高校サッカー強化研修大会」(通称・裏選手権)の優勝ゴールは、滝川二高(兵庫)の新エース候補・FW岩澤秀人(2年)が決めた。

 後半35分、滝川二はMF寺田健人(1年)の左クロスが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得。キッカーの岩澤は「あまり緊張はしなかったです。でも、『決めたらヒーロー』やなと」と右足シュートをゴール左隅へ豪快に突き刺し、歓喜の中心となった。

 ブラジル代表FWネイマール(パリSG)に憧れるストライカーは、「遊び心のあるプレーが好き」だという。準決勝ではV候補の桐光学園高(神奈川)相手にテクニカルなドリブルや、DFを引きつけてからの意表を突くパスなどで対抗。相手の鋭いプレッシャーの中でもボールを収めて攻撃に繋げていたほか、前線で競り勝つなど攻撃の中心になっていた。

 決勝戦ではベンチスタートとなったが、「0-0の状況やったんで、自分が絶対決めて勝つという気持ちで行きました」というFWは後半11分の出場から、相手の嫌がるようなドリブルやDF背後へ抜け出すプレーを意識。決勝では思うようなプレーができた訳ではないが、松岡徹監督は大会を通しての彼の意識変化を認めていた。

 年末の不甲斐ないプレー、交代指示から危機感を抱き、より責任感を持ってプレーしている。新人戦の神戸地区予選決勝(12月26日、対神戸科学技術高戦)では先発も「『何していたんやろう』と思うプレーやった」という内容で早々に交代。選手権予選でも上級生の中で先発していた新エース候補は、「『全然アカンな』と思って、そこから自分が攻撃陣の中心になってやろうと思いました」と引き締め直し、結果を求めながら各試合に臨んでいる。

 今回のニューバランスカップでは計4得点。攻撃陣を牽引し、決勝戦を含めて結果も残したが、本人は「もうちょっと点獲れていたシーンもあった。強いチームやったらそれを決められなかったら負けてしまう。もっと決めていきたい」と満足していない。

 今大会は7試合中6試合を無失点で終えたDF陣の奮闘があっての優勝。だからこそ「苦しい時に1点をもぎ取れる選手になりたい」と誓う。“裏選手権”で優勝したが、勝負はここから。「まずは新人戦を獲ってから、インターハイでも良い結果を残して、冬の選手権で優勝できるように頑張っていきたい」。そのために、岩澤はどんな試合でもゴールを決め続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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