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[J内定高校生の声_20]無名の大器、188cmCB国本玲央が山口からプロ入り。前行く選手を「超えて行くのみ」

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暁星国際高からレノファ山口FC入りするDF国本玲央

 ゲキサカでは2020年にプロ入りする高校生選手たちをインタビュー。第20回はレノファ山口FC内定の暁星国際高DF国本玲央(3年)だ。

 188cmの長身と局面を一発で変える左足が魅力の大型CBだが、高校時代に全国大会出場はなく、全国的にも無名。それでも、山口での練習参加で自分の力をアピールし、プロ入りを勝ち取った。対角のキックは選手権予選でも会場を沸かせていたほど。今後に注目の「大器」国本が、暁星国際での3年間やプロ入りを勝ち取るまでの経緯、そしてプロ入り後の意気込みなどを語った。

―山口入りの感想を。
「自分がサッカーを始めた頃からの目標であったプロサッカー選手になれたことはとても嬉しいことですし、でもこれがスタートラインなので、これに満足せずに、頑張っていきたいなという気持ちでいます」

―内定までの経緯を教えて下さい。
「一回練習参加に呼んでもらって、夏の終わりに行ったんですけれども、その時は全然通用しなくて、自分的にもやっていくにはちょっと厳しいなと思ったりしました。それで帰って大学行くか、プロに行くかというので迷って、一度大学の練習参加に行って、このレベルだったら自分も全然やれるなという自信にもなって、もう一回プロでチャレンジしたいなという気持ちがあって、ちょうど県リーグにレノファの強化部の人が見に来てくれて、『もう一度参加して欲しい』と言ってくれて、自分も『そこで内定を勝ち取ってやる』という覚悟を持ってやって、それで内定をもらえて決まったという感じです」

―オファーをもらった時の気持ちは?
「本当嬉しかったですし、(内藤)監督、スタッフ、コーチなど家族の支えもあったので、その人達への感謝の気持ちをプレーで表していきたいと思いました」

―2回目の練習参加で内定を勝ち取れた要因。
「一回目の練習参加をした時に自分が通用しなかった部分がはっきりと分かっていて、そこをチームに持ち帰って、どうやっていければ良いのかということを自主練などで突き詰めていったので、そこを2回目の練習参加に行った時に発揮できたのが良かったです」

―具体的にどの部分が?
「ビルドアップのところとかは通用できたんですけれども、守備の部分やヘディングの部分がスタメンの選手たちに比べて全然ダメだと思ったので、そこは自分の中で突き詰めてやっていきました」

―短い時間で改善できたのも力。
「そこは強化部の人に見に来てもらった時に『前回練習参加した時よりも良くなっている』と言ってもらったので、自分にも自信がつきました」

―自信を持ってプロ入りする。
「まだ全然足りないところがあるし、ヘディングも守備も良くはなっているんですけれども、まだプロで通用するかと言ったらそうでもないと思うので、そこはここ(暁星国際)にいる時期とか入団したあとに改善していきたい」

―左足やビルドアップはプロで勝負できる武器。
「1回目の練習参加の時も通用した部分があったんですけれども、やっぱり2回目の練習参加をした時の方が通用できたと思います。チームに入って、コミュニケーションを取れて来たら、どんどん自分の特長を出せると思うので、そこは自信を持っています」

―左足の対角で沸かせたりしたい。
「自分は左足を今まで武器としてやってきて、そういうプレーで見ている人に強い印象を与えられることは嬉しいですね」

―山口で影響を受けた選手は?
「同じCBの菊池流帆選手(山口→神戸)です。タイプは違うと思うんですけれども、闘志あふれるプレーや足の長さを活かした守備、ヘディングの強さとか凄く学ぶことができました」

―菊池選手とは違うタイプ。
「自分はそのようなタイプではないんですけれども、それくらいの気持ちを持ってやっていきたいと思っています」

―自分の変化も感じる?
「菊池選手は練習の時も気持ちが入っている気がしていて、試合の時だけじゃないと感じていて、自分も練習の時と試合の時と温度差を作らないようにしていきたい」

―プロで成功するための要素は?
「向上心を持ってやり続けるというのと、いかにその状況で自分が足りないところを自分で理解して、それを自分でどう伸ばしていけるかというのが大事になってくると思います」

―山口へ行く前と、行ってからの印象。
「山口行く前は全然何も分からなくて、行ったこともなかったので、何があるのかなと思っていたんですけれども、自分は神奈川出身なんですけれども、神奈川だとJクラブがいくつかあって街でチームを応援している感じがあるんですけれども、山口は県でチームを作っているというか、そういう雰囲気に魅了されました」

―スタジアムの雰囲気はどうだった?
「サポーターは本当凄く声が出ていて、人も多いですし、あの中でプレーしたいというのは凄い強く思いました」

―自分のプレーしているイメージは湧いている?
「ちょっとは湧いています」

―新しい環境。
「練習参加に行った時に、自分はあまり自分からしゃべりかけるタイプではないんですけれども、結構みんな優しく接してくれて、凄くやりやすい環境があると思うので、不安なく行けると感じています」

―年の近い選手など仲良くしてもらった選手は?
「ユースからトップに昇格する伊東稜晟っているんですけれども、練習参加に行った時に稜晟も一緒に練習やって、結構仲良くなることができました」

―神奈川から暁星国際にチャレンジしたきっかけ。
「一番は『市船と流経を倒す』と強く思って、市船と流経を倒すために暁星国際に来ました」

―3年間を振り返って。
「結局は倒せなかったですけれども、自分の夢を勝ち取ることができたというのは本当に充実していたなと思っています」

―暁星国際で学んだこと。
「最初は結構試合とかに使ってもらっていたけれど、高校2年の時に全然使ってもらえなくなって、腐りそうになった時期もあったんですけれども、それでも監督、コーチは自分のことを見捨てないでくれて、声をかけてくれたりした。それで這い上がってくるというか、反骨心をここで身につけられたと思います」

―それまでは経験したことがなかった。
「王様というか、挫折したことがないというか、ずっと試合も安定して出れていましたし、急に試合に出れなくなったという環境があまりなかったので、やっぱりここに来て良かったと思います」

―技術や判断などここで伸びたと感じる部分。
「キックは中学の頃は左SBでクロスのボールしか蹴れなかったんですけれども、ここに来て低くて速いボールを自分で意識してやってきました。あと、ビルドアップも入ってきた時は全然武器にならないくらい、逆にウィークポイントくらいだったんですけれども、ここで先輩のプレーを見て学んで、今はストロングポイントになるくらいに成長できたと思います」

―仲間の存在。
「大きかったです。食堂で一緒に食べたり、色々サッカーの話とかするんですけれども、自分が上手く行っていない時も仲間は知っていましたし、自分が良い時はみんな声もかけてくれますし、プロ決まったらみんな『おめでとう』と褒めてくれたりして、本当に家族という感じですね」

―もちろん、家族への感謝もある。
「中学から高校に入る時に寮生活をするというのは親も不安があったと思うんですけれども、自分のためにお金を払ってくれたりして、チャレンジさせてくれたというのは、本当に感謝しています」

―性格。
「今はそんな謙虚さがあるかと言ったら『無い』と思います。高校3年生になって上手く行き過ぎて、謙虚さが薄れてきているので、でも性格だと慣れれば結構ちゃらけているというか、お調子者という感じですね」

―プロでガツンと痛い目に遭いたいくらいな感じ?
「悪い方向には持って行きたくないですけれども、それをチームの良い方向に持っていければ良いかなと思っています」

―壁を乗り越えていく。
「自分よりも良い選手はいっぱいいるので、その選手を越えられるように、日々努力して行きたいという思いも強くて、覚悟を決めてプロに行きたいと思ったので、それをやってやりたいと思っています」

―「謙虚じゃない」と言い切るのは「勝負しに行く」という意味?
「自分は一からのスタートだと思っているんで、みんな上だと思っているんで、自分は一番下からだということは分かっているので、本当に超えて行くのみだと思っています」

―チャラけているというのは意外。
「みんなとかに聞いて見れば分かると思います。山口の選手はまだそういうのを出していないので、分からないと思うんですけれども」

―ピッチ外。
「ピッチ外は練習参加した時に霜田監督にも言われたんですけれども、フィジカルという部分で筋肉強化、体作りという部分を凄く言われていて、そこは自分で筋トレや、上半身を上手く使えるようになるためのトレーニングとかをやっています」

―趣味は筋トレ?
「他は映画とかドラマを見ることですね」

―おすすめは。
「ネットフィリックスで『テラスハウス』を見ています」

―他の趣味。
「音楽を聞くことというのが趣味です」

―自分のテンションを上げてくれるものは?
「Mr.Childrenの音楽とかは試合前に毎回聞いています」

―最後に聞く曲も決まっている?
「『終わりなき旅』という歌です」

―最後の選手権を振り返ると。
「個人としては力を出せたと思うので後悔は無いんですけれども、結果としては流経と市船を倒したいという気持ちが強かったので、そこまでたどり着かなかったというのは悔しいですし、ベスト8の壁というのを越えられなかったというのはやっぱり悔しいです」

―後輩に伝えたこと。
「後輩たちも何人か試合に出て自分たちの負けを経験している選手がいるので、そこで感じたものを活かして来年はベスト4、優勝を目指してもらいたいです」

―選手権はどのような大会だった?
「高1や高2で見た時は、自分はここのピッチで活躍できると思っていなかったですけれども、高3になって優秀選手とかにも選ばれたんですけれども、活躍できたというのは本当に自分が3年間頑張ってきた賜物というか、それがピッチで表せたのかなと思います」

―同期の選手などで戦いたい選手は?
「戦いたい選手は染野唯月選手です。あれだけ注目されていて、2年生の頃から活躍していて選手権で得点王も獲っていますし、その選手と対決したいし、一緒にやってみてどういう選手なのか、楽しみにしています」

―1年目の目標を。
「まずは一日も早くピッチに立つことを目標にしています。それで自分のビルドアップやキック、FKも武器としているので、それでチームの勝利に貢献していきたいと思っています」

―どのような選手になりたい?
「マンチェスター・シティのエメリク・ラポルト選手です」

―憧れている理由は?
「左のCBで一緒なんですけれども、そこから右のSHへの低い鋭いボールや、CKで点を獲れる部分や、守備でも世界で活躍する選手を相手にして、それを封じてチームの勝利に貢献できているというところが憧れですね」

―山口のラポルトへ。
「プレースタイルは似ていると思うので、一個一個の質を上げていければ、ラポルトに近づいていけると思うので頑張っていきたいです」

―山口での目標、将来の目標。
「山口ではチームの勝利に貢献して、J1昇格させることなんですけれども、何年後かには自分も海外で挑戦したいと思っています」

―海外はどこのリーグで?
「ブンデスリーガです」

―なぜ?
「日本人が結構行っていると思うんですけれども、ドルトムントのスタジアムの雰囲気とか好きですし、そういうところでドルトムントと対戦したいという気持ちもあります。入れるならばドルトムントに入って、あのスタジアムでプレーしたいです」

―山口サポーターへ。
「来季からレノファ山口加入することになりました暁星国際高校の国本玲央です。自分の武器は左足キックとビルドアップなので、その左足を見てもらいたいと思います。山口の皆さん、ともに戦い、J1昇格を目指して頑張っていきましょう。応援、よろしくお願いします!」

(取材・文 吉田太郎)
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