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最後の最後に痛恨PK献上…矢板中央MF靏見「松村くんのドリブルを一番警戒していた」

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体を張ってブロックする矢板中央MF靏見拳士朗(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.11 選手権準決勝 静岡学園高 1-0 矢板中央高 埼玉]

 気迫の守備で90分間を無失点に抑えた矢板中央高(栃木)はラストプレーPK弾に沈んだ。ゴール前に分厚い壁をつくって静岡学園高の猛攻を跳ね返し、0-0のままPK戦突入かと思われた後半アディショナルタイム3分だった。MF靏見拳士朗(3年)がPA内に切れ込んだ鹿島内定MF松村優太(3年)を倒してしまい、痛恨のPK献上。

「カットインは想定していたんですが、そこで相手が少しボールを出した時に、自分の足に引っかかってしまった」と靏見。「松村くんのドリブルを一番警戒していた。こういう選手がプロに行くんだなと感じました」。シュート数は2対24。大観衆の前で伝統の堅守を表現したが、“サヨナラPK”に沈む残酷な幕切れとなった。

 埼玉県出身の靏見にとっては地元・埼玉スタジアムのピッチで迎えた準決勝だった。「埼スタは憧れの舞台で、プレーしている時に鳥肌も立った。最高の舞台でした」。2回戦の大手前高松戦(○2-1)で先制ゴールを挙げるなど攻守に躍動し、大会中にも成長を遂げた。

「憧れだった選手権でベスト4まで来ることができた。高校に入る前は選手権に出ることが夢でしたが、入ってからは日本一を獲ることが夢になった。金子コーチ、高橋先生が3年間熱心に指導してくれたおかげで成長できた。矢板に来てよかったです」

 ボランチを組んだMF在間太一(3年)とともに、東京国際大でサッカーを続ける。今大会で得た自信と悔しさを糧に、次のステージへ。「大学でも2人でボランチを組んで、次は大学の日本一を狙いたい」と雪辱を誓った。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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