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東京Vの逸材MFは幼なじみで「負けたくない」存在。静岡学園の攻撃の中心MF浅倉が決勝での活躍誓う

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幼なじみからも刺激を受けている静岡学園高MF浅倉廉。決勝でチームにゴールをもたらす。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.11 選手権準決勝 静岡学園高 1-0 矢板中央高 埼玉]

 矢板中央高が自陣で守りを固める中、静岡学園高は個人技とコンビネーションで攻略を図った。攻撃の中軸を担うMF浅倉廉(3年)は、前半22分にDF2人をかわして右足シュート。その他にも飛び込んでくるDFをいなしたり、ワンツーを多用しながらゴールへ向かったりするなど、周囲を良く見ながらプレーしていた。

「(守りを固める相手に対して)シュートを遠目からどんどん打って行こうと思っていた。途中からワンツーとか通用すると分かっていたので、意識していました」。チームは24本目のシュートとなるMF松村優太(3年)のPKでようやく1点をもぎ取った。相手の堅守に苦しんだ印象だが、浅倉自身はオフ・ザ・ボール時に相手DFとの距離感や味方選手の位置をよりよく見ることで、余裕を持ってプレーできるようになっていると実感。初戦に比べて徐々に自分のプレーの質を上げることができてきているという。

 浅倉は小学生時代、川崎Fの育成組織で現日本代表のMF久保建英(マジョルカ)とチームメート。また、19年に東京Vのトップチームで22試合に出場した“高校生Jリーガー”MF山本理仁(U-18日本代表)とは「幼稚園一緒で小学校も試合はちょくちょくしていた。小学校3年までは同じ(サッカー)スクールだった」という間柄だ。

 東京Vの永井秀樹監督が「日本の宝になる」と評した“逸材レフティー”山本とは自宅が近いこともあって現在も交流があり、地元へ帰省した際には一緒に食事へ行ったりもするという。今大会開幕前には「選手権頑張って」とエールを受けた。そして、浅倉はチームの中軸として活躍し、決勝進出。日本一まであと1勝に迫っている。

 山本については、「キックとかゲーム作る部分とか本当に上手いけれど、ゴールに直結するプレーでは負けたくない。『凄いな』という思いと、自分も早くプロでやりたいという思いがあるので負けたくないです。小さい頃から一緒にやってきて仲も良いので、自分もプロにならないといけないという思いがあります」とライバル心も。選手権で少しでもアピールし、大学を経てプロ入りを果たす。

 青森山田高との決勝戦へ向けて、浅倉は「技術中心のスタイルでも(選手権で)勝てることを広めていけるチャンスかなと思っています。相手はフィジカル強いんですけれども、それを上回る技術で勝ちたい。自信はあります」と言い切った。川崎F U-15から現日本代表のMF大島僚太(静岡学園高→川崎F)を目指して静岡学園へ進学し、磨いてきたテクニック。決勝では幼なじみのライバルにも「負けたくない」というゴールに直結するプレー、テクニックを発揮し、静岡学園を日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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