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次のステージで故郷に恩返しを…帝京長岡の愛媛内定DF吉田晴稀「A代表で3人集まれたら」

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愛媛内定DF吉田晴稀(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権準決勝 青森山田高 2-1 帝京長岡高 埼玉]

 一年前は届かなかった埼玉スタジアムのピッチで技巧派軍団が最後の輝きを放った。帝京長岡高は美しいパスワークが織り成す攻撃サッカーで3万人近い観衆を沸かせ、惜しまれながら4強敗退。愛媛内定DF吉田晴稀(3年)は「全国大会の中でも、チームとして自分たちのサッカーが一番できた。楽しむことができた驚きもあります」と高校ラストマッチを振り返った。

 攻撃に特長のあるチームだが、守備陣も奮闘。無失点で勝ち上がり、青森山田戦が初失点となった。圧倒的に攻撃を畳み掛けるもチャンスを決め切れず、前半16分に先制点を献上してしまう展開。「失点した後もまだまだやれると思った」。大会初失点もチームは崩れることなく声を掛け合い、攻守に強度の高いパフォーマンスを続けた。

 昨年度は抜群のスピードを武器に右サイドバックのポジションで存在感を放ったが、最高学年はチーム事情からセンターバックを担った。対人守備で強さを発揮すれば、足元の技術を生かした精度の高いクロスを前線に配給。今大会も能力の高さを示し、存在感を放った。センターバックの経験を積み、「プレーの幅が広がるし、センターバックをやっていい経験になった。最後の一年間で成長できたと思う」と手応えをにじませた。

 吉田を含めたスタメンの半数以上は長岡JrユースFCの出身で、中学時代から帝京長岡のグラウンドでトレーニングを積んできた。仲間との集大成となる大会で新潟県勢の歴史を塗り替える4強入り。「中学3年から帝京長岡の公式戦に出ていた。いい経験もたくさんしたし、監督コーチに最後まで信頼して使ってもらえた。日本一という形で恩返ししたかった」。

 生まれ育った地元を離れ、愛媛でプロ生活をスタートする。京都加入MF谷内田哲平主将(3年)、町田加入FW晴山岬(3年)の3人は揃ってJ2のステージに進む。「個人としては負けたくない。次はライバルとしてお互いに競い合って、何年後かにA代表で3人集まれたら」。帝京長岡出身のプロ選手として、故郷・新潟、長岡への恩返しはまだまだ続く。


(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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