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日本高校選抜の予備選考会実施。蒲原監督「日本サッカー界のために貢献できる選手が一人でも出れば」

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 日本高校選抜の予備選考会が12日、都内で開催された。第98回全国高校サッカー選手権3回戦までに敗退したチームと、都道府県予選で敗退したチームから選出された選手たちが、大学生と選考試合を実施。予備選考会を突破した選手に、選手権で準々決勝以上に進出したチームの選手などを加えて実施される選考合宿、強化合宿を経て、最終的に18人が海外遠征に参加する。

 例年同様、今回の予備選考会メンバーも未公表。中にはJクラブ入りを決めている選手や年代別日本代表選出歴を持つ実力者たちの姿もあった。相手は関東大学リーグ1部のAチーム。1本目から強烈なプレッシャーを受ける中で力を発揮した選手もいたが、視野が狭くなって慌ててしまう選手もいた。

 今年の日本高校選抜の指揮を執る蒲原晶昭監督(佐賀東高)は「中盤の選手がもっとボールのないところで、良いポジションで視野を前向きにとってもらわないと(欧州遠征で戦う外国人選手相手に)何もできない。その点は修正を加えていきたい。相手が困ってないですから。相手がパワーで来れないようにしていきたい」と語った。

 蒲原監督は佐賀東を2度のインターハイベスト4などに導いている指揮官だ。佐賀東は小柄な選手や、特別な身体能力持たない選手たちがポジショニングや技術力を身に着けて全国の強豪と対抗。蒲原監督は選考を勝ち抜く上で必要な要素について、「テクニックは絶対に必要だと思っています。ああいう(大学生の)プレッシャーを楽しめるくらいに前に進んで行ける子とか。(加えて)世界で戦わないといけないとなると、最低限のフィジカルも必要になってくると思います」と求めていた。世界と戦える技術とフィジカル、そして強いメンタルの持ち主が最終メンバーに入って行くことになりそうだ。

 日本高校選抜は、4月に実施される欧州遠征、デュッセルドルフ国際ユース大会での2年ぶりの優勝が大目標となる。また今年は、欧州遠征前に年代別日本代表と練習試合を実施するプランもあるようだ。蒲原監督は「良い経験になって、この後の日本サッカー界のために貢献できる選手が一人でも出ればそれで成功かと思います」と期待。選手権のヒーローの中から、最終的に誰が日本高校選抜に入るのか、そして欧州、その先のステージでどのような活躍をするのか、注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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