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「ツメの甘さが最後に出た」青森山田DF箱崎、逆転V逸の悔しさは“次のステージ”で

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青森山田高DF箱崎拓(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 2冠目をかけた全国決勝で2-0から逆転負け。試合後、青森山田高のロッカールームでは「ありがとう」「次は絶対にやってくれ」という熱い言葉が飛び交ったというが、選手たちの胸には大きな後悔が残っていた。DF箱崎拓(3年)は「悔しくて……。本当に勝ちたかった」と絞り出すように述べた。

 あの日のようにはいかなかった。2019年12月15日、青森山田は高校年代“真の日本一”を決める高円宮杯プレミアリーグファイナルで名古屋U-18と対戦。前半の早い時間帯に2点を奪うと、後半序盤に同点とされたものの、次の1点を取って3-2で勝利し、今季一つ目のタイトルを手にした。

 しかし2020年1月13日の高校選手権決勝・静岡学園戦、同じく2点をリードした状況から2-2までは同じような得点経過となったが、次の1点を奪えないまま終盤に失点。今度は2-3で敗れるという結末に終わった。1か月前のタイトルマッチでMVPに輝いた箱崎は「一年間通してやってきたことのツメの甘さが最後に出た」と敗因を語った。

 相手サイドアタッカーのカットインを許したことで生まれたスーパーゴールの2失点目、本来であれば武器としていたはずのセットプレーで粘り強い対応ができなかった3失点目、いずれにも大きな悔いが残っていた。

「2失点目は相手(のシュート)がうまかったのもあったけど、カットインしてくる相手に対して押し出すことができていなかった。3失点目のセットプレーは走らせないことが大前提でそこを走らせてしまったことがスキであり、ツメの甘さ。2失点目は自分が押し出せていればパスコースは切れていた。そこを今でも後悔している。3失点目は相手に走らせないところ。あとそれは声でも伝えられたと思うので、肝心なところで言えなかったことが実力不足だった」。

 試合後、敗れた選手たちは黒田剛監督から「準優勝ということで胸を張って青森に帰ろう」と前向きな言葉が伝えられたという。昨季の世代に比べ、全体的な力は落ちるとみられていた今季世代。箱崎は「監督もシーズンが始まるまではこの結果まで上り詰めることができると思っていなかったと思う」と指揮官の心情を想う。

 ただ、そうしたネガティブなレッテルを「最弱と言われることが悔しくて、自分たちでも絶対にできるという気持ちを持って一年間戦ってきた」と奮起に変えて戦ってきた。それだけに、最後に「少しは褒めてくれた」指揮官に日本一をもたらすことができなかったと思うと、「だからこそ本当に最後、勝ちたかった」という思いが強まった。

 何よりこの一年間、箱崎自身も監督の信頼を受けながら成長してきたという手応えがある。

「試合に出られるというのが分かったのもシーズンが始まる直前で、どうにかスタメンに定着していきたいという気持ちでやってきた。どうしたらスタメンになれるのかを考えたら、後方で常に声を出し続けて、自分のストロングであるヘディングを負けないことを磨き続けることだった。コーチングでもヘディングでも監督が直接的にそう言ってくれたおかげで成長できた」。

 だからこそ「この悔しい気持ちを次のステージでぶつけられたら」となんとか前を向く。卒業後は黒田監督の母校でもある大阪体育大に進学予定。「大学での日本一という形でもう一度取り返したい。高校選手権は一生に一度しかないけど、将来的にプロになってこの負けが成長の糧になったという負けにしたい」。多くのものをかけてきたサッカー人生、“よくがんばった準優勝”のまま終わるつもりはない。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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