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「守る」から「攻める」立場へ。選手権奪還へのスタートを切った青森山田が4-0で東北新人戦制す!!

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新生・青森山田高がまずは東北タイトルを獲得した

[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 王者を「守る」立場だった昨年から、今年の青森山田はチャレンジャーとして「攻める」、全国タイトルを獲りに行く――。第19回東北高校新人サッカー選手権大会決勝が27日にいわきFCフィールド(福島県いわき市)で開催され、青森山田高(青森)が3年連続7回目の優勝を飾った。学法石川高(福島1)と対戦した青森山田はMF宇野禅斗(1年)の先制ヘッドなど4-0で快勝。選手権準優勝から約半月で迎えた新チーム最初の公式大会でタイトルを獲得した。

 選手権は“死のブロック”と評された激戦ブロックを勝ち抜いて準優勝。だが、地元・青森に戻った選手たちに掛けられた言葉は「おめでとう」ではなく、「残念だったね」だったという。青森山田は16、18年度の選手権を制し、19年は2度目のプレミアリーグ制覇。「高校年代真の日本一」に輝いた。近年の実績は、全国でも抜きん出ているだけに求められるレベルも高い。選手たちは、この敗戦から自分たちが期待されているものを再確認。その自覚と全国決勝で逆転負けした悔しさを持って東北新人戦を戦い、決勝を4-0という素晴らしい結果で終えた。

 青森山田はゲーム主将のFW古澤ナベル慈宇(2年)の強さや左SH仙石大弥(2年)、右SH藤森颯太(1年)の両翼の突破力、裏を狙う怖さを活用した攻撃。加えて、テクニカルな両シャドー、MF本田真斗(1年)、MF小原由敬(1年)の技術力、逆を取る巧さ、そして意外性が攻撃の幅を広げていた。

 前半22分には本田の右CKをファーサイドの宇野が頭でゴール方向へ折り返す。「折り返したら誰かが(ゴール前に)入るか、そのまま(ゴールに)入るという気持ちで」合わせたボールは逆サイドのポストを叩いてゴールイン。青森山田が得意のセットプレーでスコアを動かした。

 今大会の指揮を執る正木昌宣コーチから「絶対に引かない!」という声が飛んでいた青森山田は、最終ラインでリーダーシップを発揮していたCB秋元琉星(2年)やCB三輪椋平(1年)が引かずに前に出てボールを弾き返す。また、守備範囲広く守る宇野らがボールを奪い返して、右SBタビナス・ポール・ビスマルク(2年)の攻撃参加などを交えて相手を押し込んだ。

 学法石川も左のMF竹沢陸(1年)やFW倉島聡太(2年)が幾度かボールを収めて攻め返そうとしていた。主将のDF大津平嗣(2年)を中心にDF円道竣太郎(1年)、DF立澤希望(2年)の3バックが球際で強敵に食い下がるなど、1点差で可能性を秘めたまま前半を折り返す。

 そして、後半立ち上がりから前に出た学法石川に対し、青森山田は前線でボールが収まらず、セカンドボールも拾えない状況に。DFラインも重くなってしまうなど、リズムの悪い状況に陥った。学法石川はFW佐藤武流(1年)や竹沢が仕掛けやシュートに持ち込み、セットプレーも獲得。今大会、青森山田はU-18日本代表CB藤原優大(2年)や日本高校選抜候補MF松木玖生(1年)、ケガの右SB内田陽介(2年)ら主力候補の7選手が不在でバタついた部分もあったが、ここで崩れず、逆に突き放して見せる。

 後半18分、青森山田は攻撃参加からゴール方向へ持ち出した右SBタビナスが豪快な右足ミドル。学法石川のGK渡邊駿(2年)が何とか弾いたボールはポストを叩いたものの、跳ね返りを仙石が押し込んで2-0とした。

 青森山田は23分にもカウンターから縦パスで抜け出したMF渡邊星来(1年)が1人をかわしてラストパス。シャドーからボランチにポジションを下げた後も前へのスプリントを見せていたMF小原由敬(1年)が、左足で3点目を奪う。学法石川はカウンターから右WB渡辺航大(2年)が最前線まで走り込んだり、セットプレーからチャンスも作ったが、1点を奪うことができない。

 逆に青森山田は、後半終了間際にも藤森の左FKからニアへ飛び込んだFW名須川真光(1年)が頭でゴール。最後まで意識高く攻め続けた青森山田が、4-0で東北新人戦王者に輝いた。
 
 選手権準優勝はこの一年間のエネルギーになりそうだ。青森山田の正木コーチは「(選手権のタイトルを)守るよりも攻めることでパワーになる。(選手権は)最終的に静学に負けたので、悔しい思いをしている。今年はチャレンジャーとして、『もう1回取り返す』という強い気持ちで臨みたいです」と語る。

 今年は「守る」のではなく、「攻める」一年。古澤も「あそこで準優勝に終わったことが自分たちにもっとやる気を出させてくれたというか、原動力になった。自分たちでピリつかせて東北新人に臨むことができている」。まずは一つタイトルを獲ったが、ここで満足する選手はゼロ。プレミアリーグ制覇の喜びもすでに彼らの頭の中にはない。選手権の悔しさを早くも力に変えている青森山田が、選手権奪還、そして初の3冠への一年をスタートさせた。

(取材・文 吉田太郎)

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