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学法石川は今年こそ打倒・尚志、全国へ。地区予選から計11試合、青森山田との東北決勝は「凄く大きな財産になる」

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学法石川高は悔しい準優勝。DFDF大津平嗣主将(5番)はこの経験を結果に繋げることを誓った

[1.27 東北高校新人選手権決勝 青森山田高 4-0 学法石川高 いわきFCフィールド]

 学法石川高は初の東北高校新人選手権決勝進出。昨年のプレミアリーグチャンピオン・青森山田高と対戦する機会を得た。後半半ばまでは1点差で食い下がり、自分たちが主導権を握る時間帯もあったが、スコアは0-4で完敗。主将のDF大津平嗣(2年)は「自分たちの力を100%出し切った上でのこの結果なので素直に受け止めて、次のインターハイと選手権で尚志を倒して全国に行くために繋げていければと思っています」と語った。

 昨年、プリンスリーグ東北に所属していた学法石川は、同年のインターハイ福島県予選決勝で同全国4強の尚志高と延長終了間際まで1-1の好勝負。FW染野唯月(3年、鹿島加入)に決勝点を許したが、福島の絶対的な王者の牙城を脅かしている。選手権予選は尚志と対戦する前に敗れてしまったが、新人戦では福島制覇。今回の東北新人戦でも2勝を挙げて自力があることを示している。

 そして決勝で敗れたものの、この時期に青森山田と真剣勝負をすることができたことは選手たちにとってプラスになりそうだ。特に後半はアグレッシブに前に出て、カウンターからチャンスを作るなどできた部分もある。その上で大津は「普段自分たちがやっているものとは違うスピード感だったので、違いを感じさせられました。経験したものを練習で意識してやれれば差も縮まると思いますし、経験を(ベンチの選手や応援していた選手に)伝えていければチームの底上げもできると思うし、下からの底上げがあればチームとしても良くなると思うので伝えていきたい」と誓っていた。

 大津は昨夏の尚志戦で染野相手に健闘しているストッパー。DF円道竣太郎(1年)、DF立澤希望(2年)を含めた3バックやその前方で相手の攻撃を跳ね返していたMF衣川佳佑(2年)らを含めて、堅い守りはチームの特長になっている。その中で大津は前半、押し込まれる中で耐え、後半は前に出て相手の攻撃を封じていた。

 青森山田との対戦から、個の部分での課題も感じることができたようだ。「FWの9番(古澤ナベル慈宇)は、自分は国体でもやったことがあった。(昨年、青森山田セカンドと対戦した)プリンス(リーグ東北)前期もやっていた。差が開いたなと。今回やってみて通用しなかったので、普段の練習の山田と自分たちの差が出ていると思う。もっと自主練でヘディングとかやって強さの部分も求めていきたい」。持ち味のフィード力を活かす展開にも持っていくことができなかっただけに、貪欲に課題を突き詰め、成長を求めていく。

 地区大会から計11試合を戦い、最後に高校サッカー最高峰の青森山田と対戦。この経験から得た個人、チームとしての自信や課題は今後に繋がる。大津は「インターハイまで3か月ほどあって、選手権までも長い時間があるので、ここを経験できたのは凄く大きな財産になると思います」。打倒・尚志、福島制覇、そして全国上位へ。この“貴重な敗戦”を無駄にはしない。

(取材・文 吉田太郎)

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