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長く国見や神戸U-18で指導した原監督の下で着実に成長中。20年の明桜は「圧倒して」秋田を制し、全国へ:東北

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明桜高は現校名で初めて秋田県新人戦を制し、東北4位に

[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

 明桜高は、秋田経法大付高から校名変更した07年以降では初となる秋田県新人戦制覇。東北大会でも各選手が判断しながら、長短のパスや個の仕掛けを交えた攻撃を繰り出すなど印象的な戦いを見せた。

 今回の東北新人戦は準決勝、3位決定戦でいずれも再三の決定機を活かせず、勝負どころで相手を下回って4位という悔しい結果に終わった。それでも、コーチとして国見高や神戸U-18の全国制覇に携わってきた原美彦監督が古豪の指導を始めてまだ2年にもかかわらず、着実に成果を出してきている。

 18年度選手権秋田県予選で準優勝。19年度も優勝校・秋田商高相手に好勝負を演じている明桜は、県1部リーグや新人戦で秋田制覇を経験し、次は全国に目を向けている。新チームは県内、東北でも自分たちの狙いとする戦いができているだけに、原監督は「しっかりとスタイルを確立した中で質を求めていきながら、(秋田、そして全国の)勢力図を変えたり、代表選手を育成していきたい。やるからには日本一を狙っていく」と宣言した。

 選手権予選では神戸U-15出身でU-14Jリーグ選抜でキャプテンマークを巻いたこともある逸材、MF内藤蒼空(1年)がインパクトのあるプレーを見せていた。今回の東北新人戦は内藤をケガで欠いていたものの、青森山田中出身のMF田村仁志(1年)が存在感ある動きを見せていたほか、技術力のある左SB鎌田太耀主将(2年)や左利きのCB長江慶次郎(1年、名古屋U-15出身)、動きにキレが出てきたというFW佐藤剛司(2年)らが特長を発揮。原監督が「こういう大会で経験できたことは次に繋がる」と語ったように、現1、2年生にとって今回の東北新人戦は県外のスピード感、強さを知る上で貴重な3試合となった。

 秋田の高校サッカーは現在、名門・秋田商が選手権予選で5連覇中。他にも西目高や新屋高など力のあるチームがいるが、原監督は「(県内は)圧倒したい」と語り、田村も「全国出て勝つためには県でも圧倒して勝たないといけないと思う」と力を込める。簡単なノルマではないが、全国で勝負するために、まず秋田で抜きん出たチームになることが目標だ。

 今後は新シーズン開幕へ向けて、県外の強豪に胸を借りながら力を磨いていく考え。田村が指摘したように、個々の意識を高めることも必要だ。一方で結果が出てきていることもあり、秋田県内だけでなく、県外も明桜への進学を希望する中学生が増えて来ている模様。次の新1年生も楽しみな選手たちが入ってくるという明桜が夏冬の秋田県予選を勝ち抜いて今年、全国にその名を知らしめる。

(取材・文 吉田太郎)

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