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先制ミドル決め、絶妙スルーパス、技ありシュートも…明桜は青森山田中出身の1年生MF田村が存在感:東北

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前半22分、明桜高の1年生MF田村仁志が先制ミドルを決める

[1.27 東北高校新人選手権3位決定戦 専修大北上高 1-1(PK5-4)明桜高 いわきFCフィールド]

 明桜高は青森山田中出身のMF田村仁志(1年)が印象的なプレーを見せた。前半22分、左サイドでのパス交換から専修大北上高DFの寄せが甘いと見るや右足ミドル。相手の意表を突くような一撃は右ポストを叩き、ゴールラインを越えた。

 田村は、「よく遠目からのシュート練習を組んでいて、(原美彦)監督からも空いていたら撃つようにという指示があったので、思い切って撃ったら良いところに飛んでいきましたね」と微笑。チームメートを唸らせるようなゴールを決めた田村は、その後もアンカーの位置で冷静にボールを動かし、相手のギャップを突くスルーパスも狙っていた。

 延長前半終了間際には左クロスのセカンドボールに反応すると、コントロールから左足一閃。相手GKにファインセーブされたボールはクロスバーを叩いて決勝点とはならなかったが、正確な技術力と判断力の持ち主は対戦相手の脅威になっていた。

 青森山田中1年時はレギュラーで、県選抜などの活動も経験。だが、3年時はケガで苦しみ、地元・秋田へ戻る決断をした。元々FWだったというが、明桜進学後に原監督の勧めでアンカーに転向。そのポジションで展開力や的確なカバーリングなどを披露している。

 今後は「アンカーなので、もっと強く。セカンドボールを全部回収だったり、競り合いの部分でも強いプレーヤーになりたいです」と田村。また、高校選手権で大活躍した青森山田中の同級生、MF松木玖生(青森山田高1年)のように、先輩相手でも物怖じせずに強く指摘できる選手にならなければならないと感じている。

 準決勝で勝っていれば、“古巣”青森山田高と東北決勝の舞台で対戦することができたが、その目標はお預けに。「全国チャンピオンだし、強いチームなので(青森)山田とやりたい気持ちがありますし、山田だけに限らず全国の強豪はいっぱいあるので倒していきたい」というMFが、もっともっと特長を伸ばし、青森山田や全国の強豪校を苦しめる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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