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ライプツィヒFWベルナーの凄さとは?リバプールらプレミア勢が欲しがる理由

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強豪クラブが狙うティモ・ベルナー

 19日、チャンピオンズリーグ・ラウンド16でトッテナムライプツィヒが激突する。そこで、FWティモ・ベルナーは自らの価値をさらに高めるかもしれない。

 今冬にもプレミアリーグ移籍が噂されたベルナーだが、結局は実現せず、今シーズン中はライプツィヒで戦うこととなった。リバプールらプレミアリーグのクラブが熱視線を送る理由はどこにあるのだろうか。
(文=ロナン・マーフィー/Ronan Murphy)

 一旦は否定された。だが、ティモ・ベルナーのステップアップが実現するまで、メディアが彼から目を離すことはなさそうだ。

 ライプツィヒのオリバー・ミンツラフCEOは、リバプールがベルナーとコンタクトをとったという噂について、『トランスファーマルクト』でこう否定した。

「誰かが作りあげた話をみんながコピーして広めているだけだ。ベルナーはここでうまくやっているし、シーズンの残りをここでプレーしたいと思っている」

 ベルナーがシーズンの残りをライプツィヒで過ごすことは決まった。移籍市場は終了し、今このストライカーが別のクラブに行くことは不可能だ。だが、ミンツラフはシーズン終了後について言及しておらず、彼の未来についてはさらなる噂が広まっている。

 23歳のストライカーは、リバプール以外にもヨーロッパのメガクラブの多くから注目されており、チェルシーは1月にオファーを検討していた。ブルーズは冬の移籍期間中は交渉を行わないことに決めたが、それは、ベルナーがヨーロッパでの戦いが終わるまでクラブを変える気がなかったからだ。

 今夏のEURO2020でベルナーの株はさらにつり上がるだろう。すでにドイツ代表として29試合に出場して11得点という素晴らしい結果を出している。ロシア・ワールドカップでは不発に終わったが、今回こそはと息巻いていることだろう。

 ベルナーは今季のブンデスリーガで、バイエルンの怪物ロベルト・レバンドフスキの得点王獲得を阻止できる唯一の選手とみなされている。レバンドフスキは現在23得点で得点ランキングのトップを走っているが、ベルナーはリーグ戦22試合を終えて20ゴールと肉薄している。

 今シーズンの素晴らしい活躍により、マンチェスター・ユナイテッドらプレミア勢がベルナーに注目するようになってきたが、本人はまだ自身の未来について何も考えていないという。ドイツ誌『キッカー』でこう語る。

「23歳が1シーズンで20ゴールしたら、もちろん注目されるだろう。でも、今はまだ、自分の未来について僕は何も考えていない。これから大事な試合がたくさん控えている。今はそこに集中したい。未来については、後でじっくり考えるよ」

 しかしながら、ミンツラフと同じく、彼もまた近い将来の変化を否定してはいない。

「どこかかのクラブからオファーがあったら、どうするか? それも、チャンピオンズリーグの優勝候補のひとつから、すごいオファーが来るんだよ? どんな選手だって夢見ることじゃないか。いつかは別の国でプレーしたいと、いつも考えている」

 一方で、「特に所属したいチームがあるわけじゃないけどね」とも付け加えつつ、イングランド行きに興味を示していることも明かす。

「僕はどんなオファーも拒まない。最近、休日をアメリカで過ごしたけど、イングランドのサッカーはずっと人気だった。プレミアリーグには大いに注目している。だけど、他にも有名なビッグクラブはあるし、そこでプレーしてもきっと楽しいだろうと思う」

 イングランドのクラブが軒並み獲得に乗り出している一方で、バイエルンは撤退を表明した。ハサン・サリハミジッチSD(スポーツディレクター)はレワンドフスキのようなタイプではないというのだ。

「ロベルトはチームのスタイルに完璧にフィットしたストライカーだ。ロベルトは狭いところでも体を反転させてゴールに向かえる能力がある。狭いスペースを突破するテクニックもあるし、ボールを持てば誰も想像できないようなシュートを決めることができる」

「ベルナーはスピードのある選手で、ロベルトより広いスペースが必要だ。まさにライプツィヒのシステムでやっているとおりだよ。ライプツィヒのシステムは変わってきているが、それでもベルナーは、バイエルンに合うタイプの選手ではない」

 確かにベルナーはスペースを利用して、ディフェンダーの裏を取る能力に長けている。これは昨シーズンに確立したもので、ユスフ・ポウルセンとの連携によって成り立つ。ポウルセンは空中戦に強く、ベルナーにボールを落として、裏を取らせることができた。

 一方で、今季から新監督のユリアン・ナーゲルスマンはチームの改編を行っており、ときには、ベルナーをポウルセンではなく、パトリック・シックと組ませたり、サポート役としてウィンガーとして起用することもある。

 つまり、ベルナーにはそれらに対応できるマルチな才能があるのだ。レワンドフスキに代表される典型的な「9番」とは異なっており、サリハミジッチにとってはベルナーの加入を否定する材料となるかもしれないが、他のチームの目には、前線のどこででもプレー可能で、様々なフォーメーションに対応できる選手として映るだろう。

 すでに前線に多くのスターを抱えるリバプールがベルナーに熱視線を送るのは驚きではない。他のFW全員と同じ特徴を持っており、ユルゲン・クロップ監督が重宝することは容易に想像できる。ロベルト・フィルミーノのように相手陣深く侵入してディフェンスを悩ますことも得意だし、サディオ・マネのように足が速くて機敏であり、モハメド・サラーのようにディフェンスの背後をついて冷静にゴールを決められる危険なストライカーでもあるのだから。

 水曜日、ベルナーはチャンピオンズリーグに挑むアウェーチームの一員として、トッテナムのホットスパースタジアムで先発するだろう。そして数か月後にもプレミアリーグで、アウェーチームの一員としてそこにいるかもしれない。

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