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[新人戦]“最弱世代”が成長示し、九州決勝進出。九州国際大付はさらに経験重ねて全国出場に挑戦

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九州国際大付高は九州新人大会で準優勝

[2.18 九州高校(U-17)大会決勝 九州国際大付高 1-3 大津高 博多の森陸上競技場]

 九州国際大付高(福岡)は初優勝にこそ手が届かなかったものの、堂々の準優勝。大黒柱のMF森喜大主将(2年)が準々決勝で負った怪我の影響で準決勝、決勝を欠場し、エース候補のFW吉田晃盛(1年)らも怪我で出場時間が限られる中で多くの経験を得る大会となった。

 決勝戦は前線からのプレッシングを狙ったが、DF陣が大津高FW陣に押し下げられてしまい、空いた中盤を相手に活用されてしまう展開に。競り合いでも後手となってしまう。0-2で迎えた後半はチーム全体で前からの意識が共有されたが、攻撃で精度を欠いてしまうことも多く、なかなかチャンスを作り出すことができない。それでも、押し気味に試合を進める中でセットプレーのこぼれから吉田が追撃ゴール。だが、直後に3点目を失い、敗れてしまった。

 九国大付と大津の2年生は2年前の球蹴男児U-16リーグ第3節で対戦。前半から攻め立てる大津に対し、0-1で折り返した九国大付は後半攻めに出て決定機も作り出した。だが、0-1で敗れ、後期も0-3で敗戦。今回の九州新人大会では1年時のリベンジを目指したが、三度敗れる結果となった。

 森は大津の強さを認める一方で「(大津に対して)1年の頃はズルズル裏に行かれていたんですけれども、守備に関しては粘り強さや1対1の局面で打開されないところとか考えると少しは縮まったなと思います」とコメント。自分たちの成長も実感していた。

 1年時に“最弱世代”と言われていた2年生。昨年レギュラーを勝ち取った選手は一人もいない。その中で「自分たちは弱い代と言われてきた。失うものは無いという感じで経験を積まないと上に上っていけない」(森)という九国大付は新チーム結成後、九州新人大会やサニックス杯に出場して多くの経験を積むことを目指してきた。

 そして、福岡県新人戦で宿敵・東福岡高や新鋭・飯塚高を破って頂点に立ち、九州大会でも長崎総合科学大附高などを破って決勝進出。森がボールを奪ってから前に出る動きや展開力で存在感を示したほか、九州大会4得点の吉田が活躍し、右SB石本渉(2年)、CB磯崎碧(2年)、CB三宮陸矢(2年)、左SB磯谷駿(2年)の4バックも安定感を高めている。今回、九州大会で6試合を戦い、福岡県新人戦優勝で出場権を獲得したサニックス杯(3月)では全国トップレベルのチームと対戦して、また経験を重ねることができる。

 目標は夏冬の全国出場。森は「(全国出場は)チームとして目標に掲げている。全国でも自分たちがどれくらいやれるか知りたいですし、まずはインターハイでもう一回ヒガシ倒して上がらないと意味がない」。今後サニックス杯やプリンスリーグ九州で個々、チームが特長を磨き、課題を改善していくこと。そして、ベースであるハードワークを貫いて、全国出場に挑む。
 
(取材・文 吉田太郎)

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