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新型肺炎により縮小開催も昨年より観客増 ブラインドサッカー女子日本代表が菊島の8得点で大勝

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全8得点を決めた菊島宙(右から2人目)

【さいたま市ノーマライゼーションカップ2020】(さいたま市・サイデン化学アリーナ)
ブラインドサッカー女子日本代表8―0(前半2-0)ブラインドサッカー女子アルゼンチン選抜代表

 今年11月、ナイジェリアで女子では初の世界選手権開催が内定したブラインドサッカー女子の国際大会が22日、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナで開催され、女子日本代表が8―0でアルゼンチン選抜に快勝した

 新型コロナウィルスが拡大を続ける中、屋内で行われるこの一戦の開催の可否を日本ブラインドサッカー協会(JBFA)とさいたま市側でギリギリまで協議した。実施にあたって濃厚接触等による感染を防ぐため、この日試合前に予定されていたブラインドサッカーやロービジョンの体験、パラリンピック種目のボッチャの体験などの体験は中止。国歌斉唱のときのエスコートキッズも中止した。

また観戦者についてもメーンアリーナの入り口を筆頭に各所にアルコール消毒液を設置。一度出て、再入場するお客さんに対しても、出入りのたびに手の消毒を促した。スタンドの観客席も例年はメーンスタンドだけを開放していたが、今年は両ゴール裏とバックスタンドも開放し、観戦者同士の間隔を広げられる工夫もした。運営スタッフはもちろん、取材するメディアにもマスク着用や会場の出入りでのアルコール消毒を促した。来場者数は昨年1033人を上回る1272人が集まった。

 一部縮小の形で開催を決めたJBFAの塩嶋史郎理事長はこう明かす。

「いろんな競技が次々と中止になっていく中でいろんなご意見があるのは前提の上で、積極的な意味あいで(大会を)開催ができるのであればやりたい、と思って準備をすすめてきた。そのかわり、(感染者などが出ないよう)やれるすべての対応は準備した。今後も起きうるあらゆることに対するシュミレーションをする上で、開催することによって学べることもあると判断しました」

 試合中、頭を強打し、途中退場しながら全8得点を決めたエース菊島宙は「8点もとれてよかった。でも同じシュートを何度も外してしまった。(外してしまった分も)しっかりと入れられたらよかった」と言いながらも笑顔。11月に世界選手権が初めて開催されることが内定していることについては「今まではこの大会、ノーマライゼーションカップだけを目標にしてきたが、これからは世界選手権という新しい目標ができたのでそこで優勝するために練習していきたい」と決意を新たにしていた。

得点者
[日本代表]
菊島宙(前半10、12分、後半1分、15、15、16、17、18分)

先発メンバー
[日本代表]
前半
GK 12和地梨衣菜(buen cambio yokohama)
FP10菊島宙(埼玉T.Wings)
FP9工藤綾乃(Avanzareつくば)
FP6橋口史織(ラッキーストライカーズ福岡)
FP7竹内真子(兵庫サムライスターズ)

後半
GK 12和地梨衣菜(buen cambio yokohama)
FP10菊島宙(埼玉T.Wings)
FP9工藤綾乃(Avanzareつくば)
FP5加賀美和子(buen cambio yokohama)
FP7竹内真子(兵庫サムライスターズ)
ガイド藤井潤
監督村上重雄

[アルゼンチン選抜]
前半
GK14メリッサ・フローレス
FP2コンスタンサ・カリーソ
FP8グラシア・ソーサ
FP9ショアナ・アギラール
FP10ミラグロス・ロメロ

後半
GK14メリッサ・フローレス
FP5エレナ・キンテロす
FP8グラシア・ソーサ
FP9ショアナ・アギラール
FP10ミラグロス・ロメロ
ガイド バネッサ・ドミンゲス
監督ゴンサロ・アッバース・アチャチェ


≪女子日本代表の過去戦績≫
年・月・日                 得点者
2017・5・6〇2-0イングランド・ギリシャ選抜 菊島宙(2)
  ・5・6〇2-0ロシア・カナダ選抜 菊島宙(2)
  ・5・6〇1-0IBSA選抜 菊島宙
  ・5・6〇1-0IBSA選抜(決勝戦)菊島宙
2018・2・24〇7-3アルゼンチン選抜 菊島宙(6)斎藤舞香
2019・2・23○10‐0IBSA世界選抜  菊島宙(9)、工藤綾乃
2020・2・22〇8-0アルゼンチン選抜 菊島宙(8)
【注】得点者の( )はゴール数。2017年5月はオーストラリア・ウィーンで行われた「IBSAブラインドサッカートーナメント」、2018年、2019年2月は「さいたま市ノーマライゼーションカップ」
ゴンサロ・アッバース・アチャチェ

(取材・文 林健太郎)

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