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もうすぐ決まる“新ルール”、主な論点は「頭部負傷」と「VARアナウンス」

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VAR制度にも見直しが続く

 サッカーのルールを定める国際サッカー評議会(IFAB)は29日、北アイルランドのベルファストで第133回の総会を行い、2020-21シーズンに向けた競技規則の改正案を話し合う。主なトピックの一つはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)制度の透明化。ドイツ『sportschau』によると、審判の決定を場内アナウンスで発表する案も浮上しているようだ。

 IFABは毎年2月下旬から3月上旬にかけて、定例総会で翌シーズンの競技規則改正について協議している。昨年の総会ではハンドの基準、ゴールキックの受け方、フリーキックの壁、ドロップボール、交代方法などさまざまな変更点が決議。今年6月から各国リーグなどで順次、新ルールが導入されてきた。

 今回の変更点は前回より大幅に少ない二つ。一つ目は選手が頭部を負傷した際の取り扱いだ。新ルールでは「医師の診察を妨げられない」「頭部負傷者を出したチームはそれによって不利益を被らない」「脳震盪が確認された場合、いかなる状況でもプレーを継続しない」の3項目が明文化され、ラグビーなどでも活用されている一時的交代や、交代枠を使用しない選手交代が認められることになるという。

 もう一つの変更点はVAR制度の改善だ。とくにテコ入れの必要性が指摘されているのは、判定が覆った場面の情報の透明化。現状ではVARの介入で判定が変更された後、スタジアム内への情報共有は各国リーグの方針に委ねられていた。しかし、「なぜ判定が変わったか」が不明瞭なことで混乱をもたらし、観客からは不満の声が相次いでいた。

 記事によると、有力な解決策は場内アナウンスだ。アメリカンフットボールや野球のように、判定が覆った経緯が審判員からスタジアム内に肉声で伝えられるという案が出ているという。またスタジアム内ビジョンに映像を表示する案も浮上。だが、アンフィールド(リバプール)などビジョンを持たないスタジアムもあることから、制度化は難しいようだ。

 なお、チャレンジ制度を求める声がイタリアを中心に挙がっていたが、「時間の浪費が考えられるうえ、もし規定の回数を消費した後に明らかな誤審が生じる可能性もある」といった理由で却下。VARの使用で過度な厳格化が指摘されていたオフサイドのルールも、今回の改正では見直しが行われない見込みとなっている。

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