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代表での“立ち位置変えた”青森山田MF松木玖生、中心選手として存在感

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U-17日本代表で存在感を放つMF松木玖生(青森山田高)

[2.28 JENESYS青少年交流大会GS第3節 U-17日本代表 1-0 U-17マレーシア代表 指宿いわさきホテルサッカー場]

 この半年間の成長、そして結果を残してきたことによって、“立ち位置を変えた”印象だ。MF松木玖生(青森山田高)はこの日、U-17日本代表のキャプテンマークを巻いて堂々のプレー。ボランチの位置でポゼッションに絡みながら、質と量のある動きで相手DFの背後へと抜け出して決定的なクロスやシュートへ持ち込んでいた。

 守備面でも球際の強さを活かして奮闘。本人は“飛び級”でのU-19日本代表入りなどより上を目指すためには「(ポゼッションの際の)アングルの取り方だったり、ボールの受ける場所だったり、全てに置いて中盤の中ではレベルが低いと思っているので、そういう面での底上げと左足のキックは(現状に満足することなく)どんどん磨いていきたいです」と課題を口にする。

 それでも、決定的なプレーや攻守にハードワークする姿勢、ピッチでの立ち振舞からは中心選手としての存在感が漂う。昨年12月のプレミアリーグファイナルで主軸の一人として青森山田の日本一に貢献し、1月の全国高校選手権でも1年生ながら4得点をマークして準優勝。その実力を認められ、03年生まれ世代の中でも一際注目される選手となった。

 周囲からの目が変わってきていることを本人も自覚している。昨年6月にU-16日本代表へ選出された際のポジションは左SB。先発起用されていたものの、本職の中盤でチャンスを得ることはできず、周囲の引き立て役だった印象だ。

 だが、先を見据えた肉体強化や経験を重ねてきたレフティーは目に見えるような進化を遂げた。今大会、ボランチとして招集され、2試合に先発。左SBでも1試合に先発して40分間プレーしているが、どちらのポジションでもチームを牽引するようなプレーを続けている。

「自分も中盤で代表に呼ばれたいとずっと思っていましたし、中盤でやってみて、ある程度自分の感覚ですけれどもやれていると思うので、それは収穫かなと思います」。今回は招集メンバーの構成上の理由もあるかもしれないが、ボランチとして評価され、そこで納得の行くパフォーマンスができていることを松木はプラスに捉えていた。

 周囲からの注目度の高さもより、彼を奮い立たせている。今回のU-17日本代表発表の際には複数の報道機関が「松木らU-17日本代表選出」という見出し。これに対し、松木は「プレッシャーかかりますね」と微笑む。だが、本人も認める通り、そのプレッシャーを力に変えることができるメンタリティーの持ち主は、「まず代表に呼ばれたことに感謝して、代表の誇りや責任という面で普通よりは良いプレーをしなければならない」とピッチで奮闘。そして、チームをまとめる部分や、声の部分など含めて、やるべきことを一つ一つ実行しながらチームの勝利に貢献している。

 今回の代表活動は残り1試合。「(新型コロナウイルスの影響がある中、プレーできることについて)コーチや監督、こうやって運営してくれている人たちに対して感謝の気持ちでいっぱいです。明日は順位決定戦になりますけれども、日本代表らしいサッカーをして勝ちに繋げられたら良いと思います」。新たな自信と課題を感じた代表活動を必ず、優勝で終える。

(取材・文 吉田太郎)

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