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ルール改正の概要が判明…「一時的交代」は東京五輪でテストへ

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脳震盪への警戒が高まっている

 国際サッカー評議会(IFAB)は2月29日、北アイルランドのベルファストで第134回年次総会を行い、サッカー競技規則の2020-21シーズン向け改正点を話し合った。選手がピッチ内で脳震盪を起こした場合の手続きが明文化され、2020年夏の東京五輪でテストされる可能性が高まった。

 サッカーのルールを定めるIFABは毎年2月下旬から3月上旬にかけて、年次総会で翌シーズンの競技規則改正について協議する。昨年の総会ではハンドの基準、ゴールキックの受け方、フリーキックの壁、ドロップボール、交代方法などさまざまな変更点を決議。今年6月から各国リーグなどで順次、新ルールが導入されてきた。

 今回は比較的小規模な改正となる模様。もっとも大きなトピックは、脳震盪での「一時的交代」の検討だ。選手に脳震盪の疑いがある場合、一時的に交代選手を投入し、症状がなければ再びピッチに戻ることが許されるという新ルール。IFABは「より多くの研究データが必要」として即時導入を明言していないが、FIFAは東京五輪でテスト導入する方針を示した。

 脳震盪については近年、世界的に警戒が高まっており、プレーを続けることで命の危険が高まるとされている。日本サッカー協会(JFA)でも2016年から回復プログラムを策定。即時にプレーを止めるだけでなく、翌日以降もステージ1~6の段階をチェックし、経過観察を行いながら復帰を目指すシステムが敷かれている。

 総会ではそのほか、攻撃的なプレーの精神を促進するためのオフサイドルール、審判を囲む行為や選手同士の衝突を防止するための措置、ビデオ・アシスタント・レフェリー制度のコミュニケーション改善、限られた予算規模の大会におけるVAR導入法、ハンド基準のさらなる明確化などを議論した模様。後日、IFABによって詳細な改正点と、新たな競技規則が発表される予定だ。

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