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シャルケ、本拠地で侮辱行為があったら今後は直ちに試合放棄へ…クラブが公式声明を発表

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ホップ氏を侮辱する横断幕

 シャルケは、ドイツ複数のスタジアムで一部サポーターがホッフェンハイムの出資者、ディートマー・ホップ氏を侮辱したことを受け、今後ホームスタジアムでは直ちに試合放棄する方針を発表した。

 先月29日に行われたブンデスリーガ第24節ホッフェンハイム対バイエルンでは、6-0でバイエルンが圧勝。しかし、この試合に関して注目を集めたのはバイエルンのパフォーマンスではない。敵地に乗り込んだ一部の過激なバイエルンサポーターが、ホッフェンハイムの実質的なオーナーであるディートマー・ホップ氏に対し、侮辱的なメッセージのバナーを掲出したことで主審が試合を2度中断し、再開後にも終盤13分ほど、敵味方関係ないパス交換が行われる異様な光景が広がった。

 また、同日に開催されたドルトムント対フライブルク、ケルン対シャルケ、翌日のウニオン・ベルリン対ボルフスブルク、さらに2部のハノーファー対ホルシュタイン・キールでもそれぞれ一部のホームサポーターがホップ氏を侮辱する横断幕を掲げるなどして物議を醸した。それらの試合では国際サッカー連盟(FIFA)が策定し、ドイツサッカー連盟(DFB)も導入した「3ステップ・プラン」が適用されている。

 その対策方法では、試合中に差別的事件が起きた場合、状況を3段階に分ける形で、主審に試合を中断もしくは放棄する決定権が与えられる。第1ステップは試合中断及び場内アナウンスの実施、第2ステップは試合中断及び両チームとともに数分間ロッカールームに待機、そしてそれでも差別的な行為が収まらなければ第3ステップとして試合を放棄することとする。ホッフェンハイム対バイエルンの試合の主審はそのうちの第2ステップを行っていた。

 しかし、シャルケはそれだけでは足りないと強調。公式ウェブサイトに1日、「ヘイト、暴力、中傷に対する寛容の余地はなし」と題された文書を掲載し、クラブは今後、侮辱的なバナーを掲げるなり、発言をした者に対して「容赦ない処置を講じ、中傷を行った者を追放する」とした。また、今後は本拠地ウェルティンス・アレーナでそのような行為が確認された場合、「試合残り時間、スコア、それによる余波問わず、我々のチームはピッチを退く」と直ちに試合を放棄する考えを述べた。

「3ステップ・プラン」の第3ステップの「試合を放棄」に至った場合、その時点でのスコア関係なく、加害者側と判断されたチームは0-2の敗戦、被害者側は2-0の勝利に。また、両チームが同じく試合放棄の原因となった場合は、両チームとも0-2の負けとなる。一方、シャルケが独自に試合放棄を決した場合については結果など以前の問題として、ドイツサッカー界を大きく揺るがすような事態になりかねない。

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