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山形内定FW阿部要門は先輩FW染野唯月を目指すのではなく、自分の形、チームで超える

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山形内定の尚志高FW阿部要門は先輩たちが残した成績を超えること、またプレミアリーグ復帰をこの1年の目標に掲げた

 偉大な先輩は目標から自分の形、チームで超えたいと思う存在になった。21年シーズンからモンテディオ山形へ加入することが内定した尚志高FW阿部要門(2年)は、3月3日の卒業式で鹿島入りした先輩FW染野唯月からアドバイスを受けたという。

「『細かいところとか、技術とか、自分の苦手なプレーもしっかりとこの一年で克服しないと活躍できないし、すぐに消えてしまう』と辛口に言われました」。染野は2年時の全国高校選手権で得点王を獲得し、日本高校選抜やU-18日本代表で国際試合を経験。複数のJ1クラブに練習参加した上で鹿島入りを決めている。

 染野は「おめでとう」という言葉を掛ける一方、厳しい世界へ飛び込んでくる後輩に対して“愛のある指摘”。阿部はその言葉を受け止めて苦手を克服し、武器を磨きながら1年後に備えるつもりだ。

 その阿部は、サッカーファンから“半端ない”と評された高校ナンバー1ストライカーを結果で上回る意気込みだ。染野は高校2年時の選手権で尚志にとって最高タイとなる4強。昨夏も尚志にとって初となるインターハイ全国4強入りを経験している。阿部はその成績や、全国大会で彼が残した得点数を上回るという目標を掲げている。

 阿部にとって1学年先輩のエースFWは、入学前から知っていた存在であり、憧れだった。だが、「去年、何かの記事で唯月君が目標と言ったんですけれども、(コーチの)小室雅弘さんに結構怒られて、『オマエはプレースタイルが違うんだから、オマエはオマエのやり方で活躍するんだ!!』と言われました」。染野は抜群の決定力に加えてパスセンスも優れ、ゲームメークや決定的なラストパスでも試合を決めることができる選手。経験豊富なコーチの助言を受けた阿部は、自分が染野になるのではなく、前線で攻守に渡ってハードワークし、そのスピードやパワーを活かしてゴールを目指すという自分のプレースタイルで勝利に貢献することを目指している。

「自分は自分」。先輩を意識しすぎることはないが、染野から学んだこともある。特に“ヘリコプター・ヘッド”でゴールを連発した染野の武器をモノにしようとしてきた。阿部は185cmの長身の持ち主だが、中学時代に所属したチームの繋ぐスタイルもあって、ヘディングは全く意識して来なかった部分。「唯月君から盗んでできるようになりました。(染野は)跳ぶタイミングとかキッカーとのタイミングの入り方が速くて、そのおかげで相手よりも速くボールに触れている。ジャンプもトレーニングしてきて、今までゴールポストの上が見えなかったけれど、最近見えるようになった」。昨年のインターハイでは頭でもゴール。学んだ武器も活かして今年の結果に繋げる。

 現在、阿部にとって染野はどのような存在なのか。「超えていきたい存在であって、彼は次のステージに行ってしまって、高校年代で結果を残すことはもうできないので、残された記録というのを自分たちの代でチーム全員として超えて行きたいです」。今年の尚志は、やや染野に頼ってしまっていた昨年から意識を変えてチーム全員で戦うことを掲げている。その中で、阿部は自分の役割をしっかりと果たしながら、チームとしても、個人としても結果で先輩を上回る。

(取材・文 吉田太郎)

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