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「プリンスは15点以上」「毎試合1得点1アシスト」。履正社はFW神田、MF井谷が攻撃の中心としてゴールを奪う

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履正社高に得点をもたらす存在として期待のFW神田拓海(新3年、左)とMF井谷洸一郎(新3年)

 昨年、履正社高はインターハイ予選、選手権予選ともに大阪府予選準々決勝で惜敗。プリンスリーグ関西昇格こそ果たしたものの、トーナメント戦では勝負どころで決めきれず、激戦区・大阪を突破することができなかった。

 18年に日本高校選抜の指揮も執っている平野直樹監督は、「勝つこと」「勝つためにゴールを奪うこと」を求める。ボールを大事に動かし、中央、サイドから相手の守りを切り崩すスタイルは、あくまでそのための手段。四日市中央工高(三重)のFWとして83年のインターハイ決勝で決勝ゴールを決めている平野監督は、アタッカー陣に対して「良いところで終わるのではなく、スコアを残せるように。そこにはこだわって欲しい」。コンスタントにゴールを積み上げてJFLからJ3、J2、J1へとステップアップしたFW藤本憲明(神戸)のように、ゴールにこだわり続けることを期待した。

 現時点でその役割を担う中心的存在が、FW神田拓海(新3年)とMF井谷洸一郎(新3年)だ。G大阪ジュニアユース出身で憧れの選手にポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキの名を挙げる神田は、身長180cmの万能型ストライカー。「頼りがいのあるFW、ここぞの時にみんながやってくれるだろうと思ってくれるようなFWになりたいです」と語るFWは、チャンスをもたらすだけでなく、仕留める部分に課題を持って取り組んでいる。

 一方、井谷はしなやかな身のこなしとテクニックで局面を打開し、ゴールも決めるドリブラー。「周りから頼りにされるとか、信頼されるとか、コイツが持ったらチャンスになる、得点になるということを自分でも意識してやっています」というMFは、ブラジル代表FWネイマールのように遊び心も持ちながら、ここぞのところで決定的な仕事をする存在を目指している。

 取材日のゲーム形式のトレーニングでは井谷がドリブルシュートでゴールをこじ開け、神田も抜け出しや1タッチシュートでゴールを襲うなどそれぞれの強みを発揮していた。井谷は神田について、「身体もあって、ドリブルもできて、スピードもあって、ヘディングもできるオールマイティーな頼れるFWだと思っています」と説明。それに対して、神田は井谷に「ドリブルが凄くて最後1対1になったらだいたい抜いてくれるんで、クロスかシュートまでは行けるんでめっちゃ期待しています」と期待を寄せる。

 今年の履正社は、彼らの他にもいずれも国体大阪府選抜歴を持つFW李晃輝(新3年)とFW宮路峻輔(新2年)や50m走5秒8のFW浅野大生(2年)ら多彩なアタッカーを擁している。その中で結果を残し続ける存在が出現するか。神田は「プリンス(リーグ関西)は15点以上と決めています」と公言し、井谷も「僕は絶対に毎試合1得点1アシストをしたいと思っています」と目標設定。プレミアリーグ復帰や夏冬の大阪制覇、全国大会での躍進へ向けて2人が履正社の攻撃を引っ張り、ゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)

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