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大震災時を上回る“再々延期”…村井チェアマンが背景説明「準備期間が必要」

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Jリーグの村井満チェアマン

 Jリーグは25日、臨時実行委員会で全クラブ代表者とのウェブ会議を行い、J1の再開日を5月9日に先延ばしすることで合意した。J2は5月2日、J3は4月25日に再開予定。当初、4月18日の再開案も示していた村井満チェアマンは同日、メディア向けブリーフィングで3度目の延期に至った期日設定の経緯を明かした。

 Jリーグは初めて延期の決断を行った2月25日当初、J1・J2リーグの再開予定日を3月15日に設定していた。ところが国内での感染が収束する兆しはなく、続いて4月3日を目処とする再延期を決定。今回、3度目の延期決断に至った。最後に公式戦を行った2月23日から数えて空白期間は2か月を超える。2011年の東日本大震災時の48日間を大幅に上回る史上最長の中断期間となった。

 村井チェアマンは今月23日の時点では、4月3日の再開が難しい場合に「4月18日」「5月2日」いずれかでの再開を目指すと表明していた。しかし、この日の臨時実行委員会を経て方針を転換。約1か月後の再開を目指すことに決めた。その理由は①観客向けの装備②販売済みチケットの扱いなどでさらなる準備期間が必要となったためだという。

 観客向けの装備については、入場時に検温を行うサーモメーターの確保に障壁があった。J1〜J3リーグ全試合の入場ゲートにそれぞれ設置する場合、必要台数は約450台。「おおむね全部が揃うのが4月18日」である上、風や気温などの状況次第で「運用には非常に習熟したスキルが必要」であることから、4月中の一斉開催が難しい情勢となった。

 その一方、スタジアムで活動する関係者用のマスク7万枚、消毒用の液体300リットルはすでに確保ができた。これにより第14節分までは不足しない見込み。村井チェアマンは「国民も重要な物資となっている中、われわれだけが確保することは難しかった。無理のない範囲で必要性を持って準備してきた」と説明した。

 また、販売済みシーズンチケットなどの取り扱いにも猶予期間が求められた。リーグ戦再開後は座席間隔を空ける必要性があるため、収容率を約50%程度に減らされる見込み。「年間チケットだけで50%を売っているチームがある」と述べた村井チェアマンは「協力要請や、払い戻しと再販売をしないといけないかもしれない。お迎えするための準備期間が必要」と強調した。

 なお24日には、東京五輪の延期が決定したが、Jリーグ日程への影響はなかったという。村井チェアマンは「5月に開幕するという時点で五輪期間に試合を開催することと同義だった。(五輪延期の)発表があったから日程で余裕が出たわけではない」と説明した。

 もっとも日程プロジェクトの担当者によると、五輪の延期により「会場を独占使用されるはずだったクラブはスタジアム使用の難易度が下がることも予想される」と前向きな側面も出てきた。五輪期間中にリーグ戦を開催できることで、リーグ戦・ルヴァン杯ともに「大きな変更なくできる」という。

 村井チェアマンはブリーフィングの最後に「明治安田生命様がフレキシブルにリーグ戦の判断を留保していただいたこと、またヤマザキビスケット様も日程の要望はなかった。すべてフリーハンドに任せていただいた。DAZN様も会員獲得に苦労されていると思うが、状況に鑑みてサポートを続けていただいている。4月は強化試合が増えるが、試合等も含めて中継いただく可能性がある。感謝したい」とスポンサーへの謝意も述べた。

(取材・文 竹内達也)
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