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病床で3期目再任の田嶋会長、新型コロナ支援で「登録料免除」方針明かす

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3期目再任が決まった田嶋幸三会長

 日本サッカー協会(JFA)は29日、2020年度の定時評議員会と第5回理事会を行った。新型コロナウイルスの感染拡大により、すべての参加者がウェブ会議を通じて出席。今月17日に新型コロナウイルス感染が判明した田嶋幸三会長は、評議員会に病院からオブザーバー参加し、理事会はその他の理事らと同様に参加した。

 この日の理事会では、すでに内定が発表されていた会長職の3期目再任も決議。終了後、田嶋会長はJFA広報を通じて「新型コロナウイルスによって世界が大きな影響を受けている時期に会長職を務めることについて、今まで以上に責任の重大さを感じています。このような時こそ日本サッカー界、そしてスポーツ界が一つになり、一致団結してこの困難を乗り越えていく必要があります」との声明を発表した。

 その上で、新型コロナウイルスによって生じるサッカー界の財政難に対する支援も表明。「登録料の免除、協会納付金(プロアマ問わず入場料収入の3%)の最低1年間の凍結など、素早い判断ができるように今後の理事会での決定に向けてしっかりと準備を進めてまいります」。協会関係者によると「現場に対してわれわれからの間接的な支援」という位置付けだという。

 田嶋会長は今月17日、新型コロナウイルスの感染が判明。この日、メディア向けのオンラインブリーフィングを行った須原清貴専務理事によると「順調に治療が進み、順調に回復している」という。

以下、田嶋幸三会長の声明全文

 本日の評議員会で理事に選任され、その後の新理事による理事会において2年間の会長職を任命されました。新型コロナウイルスによって世界が大きな影響を受けている時期に会長職を務めることについて、今まで以上に責任の重大さを感じています。このような時こそ日本サッカー界、そしてスポーツ界が一つになり、一致団結してこの困難を乗り越えていく必要があります。

 日本、そして世界が1日も早く日常を取り戻せるようになってほしいと願っています。また、サッカー界としても、この事によって発生するであろう様々な問題、財政的な問題に対しても、日本サッカー協会(JFA)も覚悟を持って向き合っていきます。例えば、登録料の免除、協会納付金(プロアマ問わず入場料収入の3%)の最低1年間の凍結など、素早い判断ができるように今後の理事会での決定に向けてしっかりと準備を進めてまいります。

 別の見方をすれば、このような状況はJFA、9地域サッカー協会、47都道府県サッカー協会、各種連盟、リーグなどの業務を改善したり、見直したりしていくチャンスであるとも考えています。全員で協力してあらゆることに取り組んでいくことで、直面している大きな困難を乗り越えていけると確信しています。これまでの判断基準とは異なる決定をしなければならない場合でも、理事会の協力を得ながら迅速に対応できるよう体制を整えてまいります。

 世界が平和で、安全で、そして人々が健康であるからこそ、サッカーやスポーツが成り立つことを痛感しています。世界各国が平和で安全な環境を取り戻すために、日本サッカー界も全力で取り組み、それに貢献していきたいと思います。

 感染拡大の収束に向けて若い世代の皆さんの協力は不可欠です。若い世代を含め、多くの世代に影響力のあるサッカー界からも、感染拡大防止のための活動をしてまいります。全国の現場では、医師、看護師、スタッフの皆さんがこの危機と戦ってくださっています。日本が医療崩壊に陥らないよう、協力していきましょう。すでにヨーロッパの選手たちから、多くのメッセージが届いています。そこでは、イタリアやスペインの厳しい状況が生々しく語られています。若い世代の皆様には、この大事な時期に、外出したい気持ち、サッカーしたい気持ち、身体を動かしたい気持ちを抑え、ここは我慢して、新型コロナウイルスという目に見えない敵と戦っていきましょう。スポーツ界の一員としてあらゆる協力を惜しみません。

 この2年間はとても重要な決断を迫られる時だと思います。勇気をもって実行していくために、理事や評議員の皆さん、ファン・サポーター、ご支援いただいている企業、自治体、団体の皆さんと一緒になって取り組んでいきたいと思います。

(取材・文 竹内達也)

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