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岡山学芸館が逆転勝ち。ファインショットのMF須賀は“中国地方ナンバー1FW”の加入も刺激に

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前半28分、決勝点を喜ぶ岡山学芸館高MF須賀大貴(右)

[3.29 練習試合 高川学園高 1-3 岡山学芸館高]

 29日、高川学園高(山口)と岡山学芸館高(岡山)が前半をAチーム、後半をBチームが戦う形で練習試合(30分ハーフ)を実施。前半を2-1で終えた岡山学芸館が後半にも1点を加えて3-1で勝利した。

 高川学園は前日、長崎総合科学大附高に0-3から逆転勝ちし、立正大淞南高にも3-0で快勝。この岡山学芸館とのA戦もポゼッションとFW福地優雅(新3年)を筆頭としたプレッシングで先手を打とうとする。

 8分にはMF清水一輝(新3年)の左CKをファーサイドのCB田中誠太郎(新3年)が左足ボレーで合わせて先制点。その後もシュートで終わる形を増やす。一方の岡山学芸館もポゼッションで対抗。FW中田樹音(新3年)が引いてリズムを作ろうとするが、前半半ばまでは全体的に前線へ抜け出す動きが少なく、足元へのパスを狙われて攻め切る前にボールを失ってしまっていた。

 それでも、GK萩原瑠翔(新3年)、MF宗川遼哉(新3年)、MF今田光星(新3年)、MF須賀大貴(新3年)、MF末瀬由太郎(新3年)と全国高校選手権経験者5人を残す岡山学芸館は試合をひっくり返す。25分、今年の全国屈指のストライカーと言えそうな注目FW中田が、ミドルレンジから対角の左足シュートをゴール右隅に決めて同点。さらに須賀のスルーパスから中田が抜け出す動きを見せるなど相手ゴールを脅かすと、28分に勝ち越し点を奪う。

 右サイドでのクイックスローインから中田が1対1を制して一気に前進。エンドライン際から出したラストパスのこぼれを須賀が右足で撃ち抜くと、「パスは得意なのでパスする感覚で蹴った」インステップの素晴らしい一撃がゴール左隅に突き刺さった。

 岡山学芸館はB戦も1-0で終え、6-2で勝った立正大淞南戦に続く勝利。中国地方の名門2校に連勝した。2試合連続ゴールとなる決勝点を決めた須賀は、1月の全国高校選手権も先発出場。東淀川FC(大阪)時代の先輩でもある静岡学園高MF松村優太(現鹿島)と直接対決した。

 須賀にとって松村は特別な存在だ。「(自分は)中学校の時に最初の方めちゃくちゃへたくそでアンカーをやっていました。一個上の試合を見た時に(松村)優太のプレーを見て、そこから攻撃したいなと思って、それがきっかけで、そのおかげで上手くなった」。同じ進路に進むことはできなかったが、須賀も技術を磨き、成長して全国舞台へ。そこで松村と対峙し、彼の速さなどを実感した。

 先輩MFを目標とする須賀にとって、切磋琢磨するライバルが今冬に加入した。この日2試合で3得点の中田は昨年までファジアーノ岡山U-18に所属し、19年プリンスリーグ中国得点王。須賀は「今年は(中田)樹音が来て、切磋琢磨する上で樹音はめちゃくちゃ点を獲るので、点を獲る以外のところでもアピールしないとダメだし、点でも結果を残さないとダメなので(今日)決めれて良かったです」と微笑む。

 ライバルと競い合いながらゴール数を増やしていくか。「やっぱり(中田の)得点力は中国ナンバー1なので、それを活かすプレーをしつつ、自分も結果を残していって2人で点を獲って全国にいきたい」。スピードのある両ワイドやCB高島諒人主将(新3年)のフィード、技巧派のMF宗川と今田など多彩なアシスト役の存在も活かし、勝利のためにゴールを連発する。

(取材・文 吉田太郎)

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