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逸材FW中田樹音が岡山学芸館へ転籍。高体連でも連発してプロへ

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ファジアーノ岡山U-18から岡山学芸館高へ転籍したゴールハンター、FW中田樹音

 全国大会に出場すれば、間違いなく得点王候補だろう。今年に入って岡山学芸館高(岡山)に加入したばかりのFW中田樹音(新3年)が、立正大淞南高(島根)、高川学園高(山口)との練習試合に出場(高川学園戦は前半のみ)して2戦3発。微妙な判定のオフサイドで2つのシュートがノーゴールとなったものの、名門校相手に十分過ぎるインパクトを残した。

 立正大淞南戦では2シャドーの一角として先発。前半、チームは0-1で折り返したが、その中で中田は中央で強引にDFの前に出る動きを2度、3度と披露していた。そして1トップへポジションを移した後半開始直後に右クロスから難なく同点ゴール。その後もボールを引き出して前を向くと、相手DFが準備するよりも速く仕掛けてシュート、パスへ持ち込んでいた。

 何より、ゴールに向かっていく姿勢、シュートまでのバリエーションの多さが印象的。ストライカー色の濃いFWだ。また、前線での力強いキープや、左足でのサイドチェンジ、個でボールを奪い返して前進するシーンも。もちろん、全てのプレーが成功していた訳ではなく、ボールロストもあったが、飛び込んできたDFをアイディアある動きでいなすなど、判断の速さや正確さも目立っていた。そして、後半17分には、右サイドから会場の人々を唸らせるような左足ミドルをゴール左隅に突き刺して2点目。その後もゴール前へ鋭く入り込む動きで決定機に絡んでいた。

「前(のポジション)やから点を獲らんといけんと意識しているので、1試合1点以上は獲るという目標を持ちながらサッカーをしています」と中田。中学時代に利き足の右足を複雑骨折し、トレーニングし続けたという左足は「(たまにズレるが)左の方がシュートは威力がある」という武器になった。

 約1時間後に開催された高川学園戦はFWとして先発すると、0-1から再び左足ミドルをねじ込み、同点ゴール。さらにPAへ抜け出してGKをかわす動き(シュートを流し込むもオフサイドの判定)も見せた。そして前半終了間際、右スローインをオープンスペースで受けると、対面したDFとの1対1を制してゴールライン際へ切れ込む。最後は折り返したボールのこぼれをMF須賀大貴(新3年)が決めて逆転。チームは練習試合2試合を2連勝で終えた。

 中田は昨年、ファジアーノ岡山U-18の10番を背負ってプリンスリーグ中国に出場し、得点王。Jユースカップでは昨年の2冠王者・名古屋U-18からもゴールを奪っている。「もっと前に進みたい」の思いを持って、在籍していた岡山学芸館高のサッカー部へ転籍。当初は怪我もあってコンディションがまだまだだったようだが、新型コロナウィルス感染拡大による活動休止期間でそれも癒え、本領を発揮し始めている。

 岡山ではトップチームの練習試合にも出場し、海外への短期留学も経験。トップチームの先輩や指導陣からのアドバイスも受ける中、どう動けばどのような現象が起こるのか考えながらプレーするようになったという。本人はテクニックも身体能力も「マジでないです」と苦笑するが、攻撃面については「一番得意やからそこを伸ばしていきたい」というシュートをはじめ、ドリブル、パスも強豪校相手に十分発揮。加えてJアカデミーで磨かれた“考える”力もゴールを量産するための武器になりそうだ。

 岡山学芸館の高原良明監督は「タメも作れるし、仕掛けられるし、パスも出せる。(特に)シュートモーションに入ったら雰囲気ありますよね」と頷く。エース候補の加入はチームメートたちにも刺激を与えている。その中で本人は課題の守備面やハードワークすることを意識して取り組んでいる最中。「点を獲ることも、アシストすることも、パスをすることもできるし、一番好きな選手です」というFWカリム・ベンゼマのような点取り屋を目指す中田は、攻撃面だけでなく、守備、運動量の部分でもチームに貢献する構えだ。

 岡山U-15時代からのチームメートもいる岡山学芸館で、コミュニケーションは着実に向上中。新たな仲間たちと結果を残し、目標を達成する。「まず選手権もインターハイも全国出て、全国出たら色々なスカウトが来るじゃないですか。その人たちに目をつけられるようなプレーをしたいし、そのためにはまず出ないとダメだから、岡山県で全部勝って、優勝して、全国大会でどれだけ自分ができるか試したいです。(個人的には) どこからシュートを打っても点を獲れる選手になりたい」。Jユースから加わった注目ストライカーが、高校サッカーでも輝く。 
 
(取材・文 吉田太郎)

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