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Jリーグの“4度目延期”不可避、専門家「苦渋の提案」「国民の行動変容を」

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専門家チームの賀来満夫氏(画像はスクリーンショット)

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と日本野球機構(NPB)がつくる『新型コロナウイルス対策会議』は3日、第5回会議を開催した。専門家チームからは「確実にフェーズが変わりつつある」といった厳しい見通しとともに、「苦渋の提案」という5月末以降の開幕・再開案が示された。

 前回の会議が行われた3月23日以降、日本を代表する二大スポーツの情勢が一気に動いた。まずは野球界で26日、阪神の藤浪晋太郎投手がPCR検査により陽性が判明。サッカー界でも30日、ヴィッセル神戸DF酒井高徳の検査陽性が発表された。その後も検査結果が次々に分かり、これまでNPB3人、Jリーグ5人の陽性が公表されている。

 またスポーツ界に限らず、国内全体でも感染者が急増している。朝日新聞などによると、4月2日の新たな感染者は279人で3日連続最多を記録。感染経路が確認できない人も多く出てきており、東京都で97人中33人、大阪府で33人中21人がそれに該当する。

 この日、専門家チームの一員として連絡会議に出席した賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授)からは「すぐに緊急事態宣言が出されるかは分からないが、東京都、そして大阪、兵庫、愛知など大都市圏でリンクを追えない患者が増えている。オーバーシュートまでは行っていない状況だが、感染が急増している中で、誰もが感染を受ける機会が手中にある」と厳しい見通しが示された。

 またこうした現状を踏まえ、舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は「非常に注意深く感染を起こさないようにしている選手から感染者が出たということは、市中における蔓延期に入っている状況と言える」と述べ、「なんとか持ち堪えている状況だが、確実にフェーズが変わりつつある」と慎重な対応を行う必要性を指摘した。

 その一例として、連絡会議の位置づけも方針転換を迫られた。当初は①選手・スタッフ、家族が感染するリスクを低減させる②観戦者の安全も含めたスポーツ文化を守ることを念頭に設置されたもの。すなわち、ここでの議論は「開催すべきかどうか」ではなく、「開催するためにどうしたらいいか」という“開催ありき”の方向性だった。

 ところがこの日、三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「連絡会議に第三の意義が課せられた。それは社会に対する責任だ」と述べた。そのうえで感染者数、それも経路不明の感染者が増加していることで「4月の開幕・再開は困難」との見通しをハッキリと語り、新たに「ピークは4月〜5月と考えていて、5月の終わりごろであれば何とかなるのではないか」という目処も示した。

 一方、時期を遅らせてでも開催に向けて尽力する方針に変わりはない。三鴨氏は「薬剤があるわけでも、ワクチンがあるわけでもない。国民の行動変容を求めるしかないのが現実」と厳しい現実を述べつつも、感染の抑制に成功している北海道を例に出して「これを期待して状況を見ると、5月末には(一定の収束の)可能性が高まる」と指摘。「今年は無理だと言うのは簡単だが、それはあり得ない。期待も込めて一つの目安を提示した」と決断の背景を明かした。

 こうした助言を受けてJリーグの村井満チェアマンは「現状のスケジュールそのものを実行に移すことは難しい」とし、4月下旬〜5月上旬にかけて段階的に再開する現行案の見直しを示唆。当初は今月中旬に臨時実行委員会を予定していたが、「今日の助言をもとに臨時実行委員会を早いタイミングでセットしようと考えている。こうした重要な提言をいただいたので早めに決定したい」と早期決断の方向性を述べた。

 Jリーグは当初、最初の延期決定でJ1・J2リーグの再開予定日を3月15日に設定した。その後、3月12日には再延期日を4月3日に決定。3月25日には3度目の延期を決断し、J3を4月25日、J2を5月2日、J1を5月9日に再開するという段階的なスケジュールを策定していた。今後、再度の延期が決まれば4度目。2011年・東日本大震災時の48日間を大幅に上回る長期中断が決定的な情勢となっている。

(取材・文 竹内達也)
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