beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

「いるだけでチームに芯が通る様な」選手へ。昨夏全国2位・富山一の新たな守りの要・DF孝井捺希

このエントリーをはてなブックマークに追加

富山一高DF孝井捺希(後列中央)は昨夏全国準Vの先輩たちの思いも込めて、今年の選手権を戦う。

[2020シーズンへ向けて](※富山一高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)

「個人としての目標は、1人で守って1人で勝てるほどの選手になることです。いるだけでチームに芯が通る様な安定感のあるクレバーな選手を目標としています。チームとしては、残りのリーグ戦で優勝、選手権で全国制覇することです。そのためには今の自粛期間が重要となってくるので、選手全員でモチベーションを保ちながら個人練習したいと思います」

 明確な言葉で目標を掲げるDF孝井捺希(3年)は、昨年のインターハイ準優勝校・富山一高(富山)DF陣の新たな核となる選手だ。憧れの選手にイタリア代表やACミラン(イタリア)で主将を務めた名DFパオロ・マルディーニの名を挙げる孝井は、「キャプテンシー、メンタル、走力、技術、フィジカルなど全ての面でお手本となる選手だと思っています。自分も彼の様にチームの柱となって闘いたいです」と高校生活のラストシーズンへ向けて意気込んでいる。

 孝井は1年時12月の鹿島ユース(茨城)戦でプレミアリーグEASTデビュー。昨年はプリンスリーグ北信越開幕戦の都市大塩尻高(長野)戦で先発フル出場して4-0の完封勝利に貢献し、星稜高(石川)戦でも先発フル出場して完封勝利を果たしている。

 途中出場を中心にプリンスリーグ北信越第10節までの計8試合に出場。インターハイで準優勝を記録した富山一の中で主将のDF吉藤廉(現同志社大)、ともにインターハイ優秀選手のDF牧野奏太(現立教大)とDF丸山以祐(現桃山学院大)の中央3枚の壁は厚く、後期は出場機会を伸ばすことができなかったものの、先輩の姿や実戦での経験から学んだことがある。

 特に先発出場し、後半28分に交代した新潟明訓高(新潟)戦(2-3)は「自分の課題が一番明確になったゲームでした」と振り返る。一方で自身にとってのベストゲームに挙げた試合もこの新潟明訓戦。「スタメンで出場したにも関わらず、終始不安定なプレーで試合の流れを読むところや、リスク管理の部分や状況判断などを一から見直す必要があるとこのゲームで教わりました。結果も敗戦でしたが、このゲームがあったからこその今だと思っているので、その面ではベストゲームです」と言い切った。

 また昨年、トップチームに帯同する中で特に変化したことがある。「特に変化したのは、気持ちの面で、ハングリー精神を常に持って何事にも取り組むというところです」と孝井。出場チャンスを得たとは言え、先発に定着した訳でも、安定した立場を掴んだ訳でもなかった。それだけに常に危機感を持って全力でプレー。そのことが自身の成長度を高めたと実感している。加えて今年は、攻撃に積極的にかかわり、スイッチ役となっていた先輩DF牧野を参考に、積極的な攻撃参加を増やしていく考えだ。

 彼には際立った武器もある。自慢のヘディングは、強敵相手でも絶対に負けてはいけないという考えだ。「ヘディングでは絶対負けないと思っているし、自信があります。入学した頃からずっと磨いてきた武器だし、競り合いに勝てるか勝てないかは、チームの勢いに大きく関わってくると思うので意識しています。1年生の頃にプレミアに少し出場させてもらった時や、去年星稜の190cmのFWと対峙した時にも負けなかったので、大きな自信になりました。今年は流経(流通経済大柏)だった関川(郁万、現鹿島)選手の様にヘディングで得点を奪ったりチャンスを作りたいです」と宣言。インターハイや選手権で大活躍した関川のように、自らゴールを決めて、守って勝つ。

 新型コロナウィルス感染症の影響でインターハイが中止になったことは、「インターハイはまず一つの大きな目標で、(準優勝だった)去年の借りを返すという意味でも自分の中では意識していた部分があったので、中止になったと聞いた時はショックでした」と明かす。

 加えて、休校(5月末まで)が続くなど不安な日々。それでも、「逆に今はチャンスだと思って、普段あまり出来なかった走りの質や戦術理解をもう一度見直して自主練しています」という。U-17北信越選抜に選出された際に対戦したU-17日本代表CB鈴木海音(磐田U-18、トップチームとプロ契約)ら意識するDFたちに負けずに、自分が今できることに取り組んでレベルアップすること。そして目指す姿に近づき、インターハイの分の思いも込めて選手権で日本一に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP