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スペイン紙「最も残酷な別れ」39歳アドゥリスが引退を決断「夢のエンディングは忘れよう」

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ビルバオFWアリツ・アドゥリスが現役引退

 ビルバオは20日、FWアリツ・アドゥリス(39)が現役から退くことをクラブ公式サイトで発表した。

 クラブが本拠地を置くバスク州出身のアドゥリスは1999年にデ・ビトリアでプロ生活を始め、2000年にビルバオのBチームに加入。2002年にトップチームデビューを果たした。その後、ブルゴスやバジャドリーでプレーし、2006年に再びビルバオへ。2008年にマジョルカ、2010年にバレンシアへ移籍し、2012年にビルバオへ復帰すると、ここから上昇曲線のキャリアを描いた。

 復帰1年目の2012-13シーズンにスペイン1部で当時の自己最多となる14ゴールを挙げ、2015-16シーズンにはキャリアハイの20ゴールを記録。2017-18シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)では当時37歳にして11得点をマークし、大会得点王に輝いた。

 ビルバオでは合計12シーズンを過ごし、通算407試合に出場して172得点を記録。今季は開幕戦のバルセロナ戦(○1-0)で劇的なオーバーヘッド弾を決めて脚光を浴びたが、股関節の負傷で離脱した時期もあり、リーグ戦14試合で1得点となっていた。

 チームは今季のコパ・デル・レイで快進撃を続け、準々決勝でバルセロナ、準決勝ではグラナダを破って5年ぶりに決勝進出を果たしている。今季限りでの引退を表明していたアドゥリスにとって、タイトルを懸けたソシエダとの“バスク・ダービー”は最高の花道になると期待されたが、新型コロナウイルスの影響で同試合は延期。クラブは今年6月までとなっているアドゥリスとの契約を、決勝が開催されるまで延長する意向を示していた。

 しかし、39歳のストライカーはシーズン再開を待たずに現役引退を決断。その理由について、20日に自身のツイッター(@AritzAduriz11)で語っている。

「私はこれまで、サッカーから離れると何度も言ったことがある。その時が来たんだ。ちょうど昨日、医師から普通の日常生活を送るため、人工股関節の置換手術を受けるよう勧められた。残念だが、私の体はもう十分だと言っている。自分が望むような形でチームメイトを助けることはできない。これがプロアスリートの人生でもある。シンプル、とてもシンプルなことだ」

「残念ながら、私たちはもっと深刻で痛みを伴う状況を経験している。今も苦しんでいるパンデミックは取り返しのつかない被害を残しており、私たちはともに戦い続けなければならない。だから、私のことは気にしないでほしい。これは単なるこぼれ話だ」

「さよならを言う時間があるので、夢のエンディングは忘れよう。別れの時が来た。これが旅の終わりだ。最初から最後まで忘れられない素晴らしいものだった。ありがとう」

 この発表後、アドゥリスに対して現役選手やファンから愛と励ましのメッセージが多く寄せられた。スペイン『アス』は「21世紀のビルバオ最高得点者は最も残酷な形で別れを告げた。コロナウイルスは、彼が決勝でタイトルを獲得してさよならを言う機会を奪った」と惜しみつつ、「彼は(ビルバオに)途方もない遺産と忘れられない印象を残してくれた」と、その功績を称えた。

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