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スペイン3強やリバプール、マンU、ミランなどビッグクラブからモテモテ…バルサ&ユーベ退団の経緯を語る25歳DF「もう、うんざりだった」

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現在シントトロイデンに所属するDFポル・ガルシア

 過去にバルセロナユベントスの下部組織に所属したシントトロイデンの元U-17スペイン代表DFポル・ガルシアが、ビッグクラブを去った経緯を明かした。スペイン『アス』が伝えている。

 ガルシアは1995年2月18日生まれの25歳。ビルドアップ能力に優れる左利きのセンターバックだ。2009年にエスパニョールのカンテラに入団し、2010年にバルセロナの育成組織ラ・マシアへ。そして16歳だった2011年、バルセロナからの契約延長オファーに満足できなかったことで、ユベントスのプリマベーラに移籍した。だが、ユベントスではトップチームデビューを果たせず。期限付き移籍でイタリア下部リーグの複数クラブを渡り歩いたのち、2018年夏からシントトロイデンに在籍している。

 エスパニョール時代、ガルシアにはバルセロナから何度もオファーが届いていたという。さらに本人がファンだったレアル・マドリー、アトレティコ・マドリーも関心を示していたが、最終的にバルセロナ行きを選んだ。しかし、両者の関係は長くは続かない。加入から1年後の2011年にバルセロナとの契約を延長せず、イタリアに新天地を求めた。

「正直なところ、これまでのサッカー人生で最も難しい決断だった。いろんなオファーがあったけど、全部違うものだった。バルサは3年間の契約更新を望んでいた。12月にその提案を受けて父が打ち合わせに行き、承諾したと言っていたけど、その時は書類が用意されていなくて、サインができなかった」

「2月に16歳になって、たくさんのオファーが来るようになった。イングランドのリバプールやウエスト・ハム、正式なオファーはなかったけどマンチェスター・ユナイテッドも関心を示してくれた。イタリアからはミランとユベントスに誘われていた。スペインではレアル・マドリー、そして何よりもバレンシアが僕にとても興味を持っていたね」

「他のクラブからは、トップチーム昇格に関する話があった。バルセロナは3年間の契約延長を提示してくれたけど、トップチームの練習に参加できるという話は一切出てこなかった。数か月前には承諾していたのに。あまりにも多くのオファーが来たこともあって、僕は考え直さなければならなかった」

「スポーツプロジェクトに関してバルサにはより多くのことを求めた。そして何より僕を大切にしてほしいと思っていた。でも彼らは要望には応じてくれなかった」

 その後もバルセロナはガルシアの希望を受け入れず、選手側からの回答期限を3月30日に設定。ガルシアが期限まで決めかねていると、ショッキングな出来事が起こった。

「3月30日にバルセロナの練習に行ったら、その日から試合に出場できない、トレーニングウェアを着られない、チームバスに乗車できない、試合の日に更衣室に入れないとクラブから通達があったと監督に言われたんだ。それがコップをいっぱいにする最後の一滴だったよ」

 失望を味わったガルシアは、自身に関心を示したクラブの1つであるユベントスとの交渉を本格化させた。その中でオファーの内容や獲得に対する熱意に魅力を感じたという。

「一番満足したのは、彼らが(地元の)タラサの家の玄関まで迎えに来てくれたことだ。監督やスカウティングチームが来てくれた。タラサのホテルで打ち合わせをしていたんだけど、僕にもっと興味を持ってくれたのか、家にまで来てくれたんだ」

「彼らは僕にスポーツプロジェクトのことや初日のトレーニングのことなどを話してくれて…。16歳の時、それを聞いて、彼らが僕に興味を持ってくれたことに感動した。彼らは僕を重要だと思ってくれた。それは僕がバルサに求めていたことだった」

「僕のことを、彼らはまるでジダンかのように扱ってくれた。彼らの興味は本物だと確信したので、イタリアに行くことにしたんだ」

 ユベントスでは2012-13シーズンにトップチーム昇格こそ果たしたが、公式戦出場は叶わず。イタリアでの日々についても、こう振り返っている。

「僕が契約を結んでからユベントスは大きく成長した。僕が入った時は長い間セリエAのタイトルを獲得していなかったけど、今ではクリスティアーノ・ロナウドと契約したり、デ・リフトに7000万ユーロを支払う余裕がある。ユースシステムの重要性が薄れ始めて、とても、とても、とても高いレベルでプレーしなければ、トップチームに飛躍することはできなかった」

「そこで、若手にチャンスを与えることが難しいイタリアの現実を知ったんだ。彼らは選手をレンタルに出して、まるで『君が目立つ活躍をしたら呼び戻す』と言っているかのようだった」

 ユベントスでは5回の期限付き移籍を経験。もうイタリア王者に対して未練はなかった。

「ユーベは契約をあと1年延長してくれと言っていたけど、もう何度も(レンタル)移籍して疲れていた。毎年のように街やクラブ、チームメイトが変わるのにうんざりしていたんだ。シントトロイデンに(完全移籍で)行くというオプションが出てきたので、熟考することはなかった」

 2018年7月に加入したシントトロイデンでは、加入1年目から主力としてプレー。2シーズンでリーグ戦通算49試合に出場している。

「ベルギーではアグレッシブにならなければいけないことを学んだ。うまくいけば、半年後にヨーロッパのビッグクラブがドアを叩いてくるようなリーグだよ」

 かつて名だたるビッグクラブが獲得を熱望した25歳DFは「自分の限界がどこにあるのかは分からない。だけど少しでも高いところに行きたいし、今よりもずっと先まで行けることを知っている。そして、それに向かって努力していく。素晴らしいオファーは来ていないけど、毎日努力を続けていきたいね」と野心を燃やした。

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