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「走り切れる姿を見せたい」。“スタイル合致”の注目ボランチ、履正社MF平岡大陽が湘南内定!

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湘南ベルマーレ加入が内定した履正社高MF平岡大陽。(写真は3月撮影)

 “湘南スタイル”を体現する――。湘南ベルマーレは27日、履正社高(大阪)MF平岡大陽(3年)の21年シーズン加入が内定したことを発表した。履正社からは今季、札幌へ新加入したMF田中駿汰らOB4選手が大学経由で同時にプロ入り。それに続き、履正社出身選手として通算8人目のJリーガーとなる平岡は、「プロになって色々な人に見られると思いますし、そういう面ではいつ見られても大丈夫という選手になりたいし、ピッチ上ではチームの中心選手となって、必要だなと思ってもらえるように頑張りたいです」と意気込んだ。

 平岡は選手権、インターハイの出場こそないものの、大阪の強豪、履正社で1年時から存在感を放ってきた実力派のボランチ。履正社の平野直樹監督は「(湘南の強化担当者から)『ベルマーレがイメージしている選手像に平岡選手がハマった』ということはお話を頂きました。元々彼が持っている運動量の多さや献身的なプレー、そして攻守に積極的に係る姿勢などが評価されたところだと思います」と湘南からの評価について説明する。

 C大阪西U-15から入学した当初は現在よりも約10kg細身。本人は将来プロへ、という目標を持っていたものの、高卒でプロ入りできるとは考えていなかった。だが、「(平野監督から)『本番に至るまでの準備が大事だ』と言われていて、『プロになりたいというのであれば、もっとやるべきだ』とか、聞くたびにそうだなと思っていました」という平岡はコツコツと努力を継続。毎日の積み重ねが肉体的な強さや技術力を向上させた。

 球際で足が深く伸びる部分やプレーの連続性も活かしてボールを奪い取り、切り替え速く前線へ駆け上がる。そして、正確なパスやシュートで決定的な仕事をしてのけるMFは今年、2月と3月に湘南へ練習参加。スピード感に慣れ、守備面など自分の良さを発揮して評価を勝ち取った。

 厳しい環境に飛び込むには誰でも勇気がいる。平野監督が「自己分析能力がしっかりしている選手」と評するボランチは自分の現在地、将来を見つめ、プロへ行くならば湘南一本、もしくは大学進学という2択で熟考。そして、「家族と何回も話して後押ししてもらった」という平岡は、大学の4年間よりもプロで4年間揉まれる方が成長できると判断し、決断した。
 
「(プロ入りが決まり)ワクワクもちょっとはありますけれど、(決まったばかりなので)今からの時間を大事にしないといけないと思います」。G大阪ジュニアユース監督や仙台トップチームコーチの経歴を持つ平野監督は平岡の良さについて、自分自身とサッカーに対して真摯に向き合えるところを挙げていた。大きな発言をする訳ではないが、勉強、サッカーの両方でしっかりと努力できる選手。進路が決まったが浮かれることなく、まずは自分にフォーカスしながら高校生活残り半年間を過ごし、自分の強み、課題をレベルアップさせて、より湘南スタイルを体現できる選手となってプロ1年目を迎える。

「湘南ベルマーレはやっぱり走るチーム。僕のプレーの特長がちょっとマッチしている部分があると聞いているので、そういうところでは今のストロングポイントをこのまま活かし続ければチャンスはあるのかなと思います。試合に出てという姿には憧れがあるので、少しでも早く出られるように自分の実力を上げて行きたいと思っています」と平岡。そして、湘南サポーターへ向けては「ルーズボールなど敏感に反応して行く自信がありますし、まだまだなんですけれども、試合終了間際でも、残っている体力を活かしてしっかりと走り切れる姿を見せたいなと思います」とコメントした。

 平野監督は「(身長170cmほどで)そこまで大きくなくても技術だとか、運動量だとか、判断力だとか、献身性とか日本の選手として世界で戦って行く上で必要な要素。目指してもらえるような選手になってもらえれば良い」と期待。そして、これからの半年間は履正社の中心選手としてチームのベースを引き上げることを求めた。

 平岡も湘南で学んでいることを履正社に伝え、「走ったり、献身性で引っ張って、しっかりと良い基準を作ってチームにそれを反映していく」ことが役割であることを認識。毎日、自分がやるべきことに全力で取り組んで履正社、そして湘南で結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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