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Jリーグ式“一斉PCR検査”の試案判明…1回3580人規模、各スタジアムで検体採取、保険対象外

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各スタジアムで検体採取が行われる予定だ

 Jリーグは5日、第3回臨時理事会を開催し、リーグ戦の大会日程とルヴァン杯の大会方式を決議した。終了後、村井満チェアマンらがオンラインで記者会見を行い、選手・関係者を対象に新型コロナウイルスの感染有無を確かめるJリーグ独自のPCR検査センターの試案を公表した。

 今月2日には名古屋グランパスFW金崎夢生から陽性反応が検出され、Jリーグから2か月ぶりの感染者が出た。会見で村井チェアマンは「このタイミングでも発症しうるとあらためて脅威を感じた。感染防止に務めていかないといけない」と説明。続いて藤村昇司特命担当部長が、Jリーグ内の設置が決まっているPCR検査センターの手続きに関する試案を説明した。

 検査開始はJリーグが再開する6月27日から1週間さかのぼった同20日。その後、2週間に1回のペースで、12月末までの間に計14回行う予定となっている。対象は全56クラブの選手・関係者、レフェリー、マッチコミッショナー。一度の検査で最大3580人規模になるとみられる。検査で陰性が確認された者のみ、試合の登録メンバーに入ることができる。

 検体の採取は原則、試合会場で実施。ホームチームの選手・関係者とアウェーチームの遠征メンバーから検体を取り、遠征に帯同しなかったアウェーチームの選手は各クラブハウスで同様の処置を受ける。スタジアムやクラブハウスでの検体採取の際には、試合に関係したレフェリー、マッチコミッショナーだけでなく、近隣在住の関係者も来場する。

 検体採取は専用キットを頬と歯茎の間に2分間挟み、十分な唾液を取り入れる形で実施。民間の検査機関が処置を行い、Jリーグの新型コロナ対策本部内に設置される検査センターでは連絡機能などを担う。競技の公平性を保つため、陽性者の連絡はJリーグ内で集約。その後、各クラブに通知される仕組みだ。

 陽性者は速やかに診察、検査、治療へと移行。Jリーグは必要に応じて濃厚接触者や対戦クラブに自主隔離を要請する他、家族らの臨時検査を行う準備も整えている。市中感染が広がって医療現場に負荷がかかったり、検査需給が逼迫した場合は検査を中止する可能性もある。またウイルスの感染拡大が完全に収束したと判断された場合も中止が検討される。

 検査の目的は①Jリーグが感染源になるリスクを抑える②選手・関係者が少しでも安心して競技できる前提を整える③検査手法や開示等を通じてスポーツ界、医学界に貢献する—の3点。検査は①社会のニーズに対して検査が十分に供給されていること②医療に過大な負荷をかけることなく実施できること③無症状者のスクリーニングであることから保険対象外となること—の3点を前提に行われるという。

 また身体接触を伴うサッカーというスポーツにおいて、「濃厚接触」の定義を再検討する必要性も浮上している。村井チェアマンは「仮説を用意して、専門家と話をしながら隔離しないといけない対象の範囲を詰めていきたい」と説明。その上で、2か月ぶりの感染者が出た状況でも「大会日程の変更、シーズンの開幕を変えるなどの判断には至っていない」とし、6月27日再開方針をあらためて示した。

(取材・文 竹内達也)
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