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横浜FMの“背後”攻略! 万全ではなかったFC東京FW永井「自分がアクションすることで…」

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復帰を果たしたFC東京のFW永井謙佑

[7.12 J1第4節 横浜FM1-3FC東京 日産ス]

 最後まで優勝を争った昨季のライバル、横浜F・マリノスとの再戦を制した試合後、FC東京長谷川健太監督はFW永井謙佑の働きを名指しで称えた。「永井が戻って来たのは心強い。攻守でスイッチ役になったし、あらためて彼の存在の大きさを再認識した」。勝利を決定づける3点目をアシストした背番号11の復帰が、王者撃破の大きな要因となった。

 昨季の第33節・浦和戦で右肩関節を脱臼し、強行出場した最終34節・横浜FM戦後に手術を受けていた永井。当初は全治4か月の予定ながらもリーグ再開後もメンバー外が続いていた中、ようやくこの日、7か月ぶりの公式戦復帰を果たした。

 状態はまだ万全ではなく、「自分自身そこまで長い時間プレーできるコンディションではない」という永井。長谷川監督も「最近はだいぶ調子も上がって来た」としながらも「ドクターと話をしながら、もう公式戦に出していかないと完全にもとの状況に戻っていかない」と悩みながらの起用だったことを明かす。

 それでもなお、この日は永井の力が必要だった。対戦相手は高い最終ラインを敷いてゲームをオーガナイズしてくる横浜FM。裏のスペースを有効利用できなければ、一方的に主導権を握られる可能性が高い。「背後を突ければ絶対にチャンスがあると思っていた」(永井)。FW田川亨介の先発起用にもそんな狙いはうかがえた。

 チームは序盤に先制点を献上。それでも「自分がアクションすることでラインを止めようとする選手がいるので、止めたタイミングでディエゴが出たり、違う選手が出ていく」という永井の狙いは次々に奏功した。前半17分に決まったFWディエゴ・オリヴェイラのPK、46分に決まったFWレアンドロのFKは、田川とD・オリヴェイラによる意図したフリーランから生まれたものだ。

 さらに永井自身も後半1分、右サイド裏へのランニングから美しいクロスで追加点をアシスト。「クオリティーにこだわって、数少ないチャンスを決めないと苦しいと思っていた」(永井)。そんな言葉どおりの活躍を果たし、後半14分に交代。「行けるところまで出し切ってチームのために貢献できるようにプレーした」とほっとした様子で話した。

 前節は川崎Fとの多摩川クラシコに大敗(●0-4)。しかし、この日の勝利で勝ち点9とし、首位とのポイント差は1となった。「前節を上から見ていて、僕自身も悔しかったし、チームの良さはなかなか出ない試合だった。原点に戻るじゃないけど、気持ちのこもったプレーをすることをテーマにしてやった」。待望の復帰を果たした背番号11がFC東京に躍動感を加え、優勝戦線へと連れ戻した。

(取材・文 竹内達也)
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