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覚醒続く尚志のU-17日本代表DFチェイス・アンリ。強豪との戦いでも目立つ存在に

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成長を続ける尚志高のU-17日本代表DFチェイス・アンリ

[7.23 ULTIMA開幕戦 静岡学園高 1-3 尚志高 フジスパークフィールド]

 昨冬注目度を高めた逸材が、強豪との戦いで目立つ存在になってきている。尚志高のU-17日本代表DFチェイス・アンリ(2年)は3バックの右サイドで先発すると、序盤から厳しいチェックで静岡学園高の選手に間を与えない。

「気合入っていました。相手も足元上手いから、そこもガツガツいかないといけないといけない」と振り返るアンリは、3つのファウルを反省したものの、対面の選手にとって嫌な存在になっていた。

 また、危機を察知し、幅広い動きで味方選手をカバー。1点を返されたあとの後半アディショナルタイムには、逆サイドを縦に抜け出した相手エースFW加納大(3年)との距離を一気に詰める。そして、「止めなければいけない」と強烈なスライディングタックル。そのまま持ち込まれていれば失点していたようなシーンだったが、彼のビッグプレーが静岡学園の反撃を断ち切った。

 アンリは昨秋の国体と今年1月の選手権で全国大会を経験。今年2月にはU-17日本代表に初選出され、「JENESYS青少年サッカー交流大会」(鹿児島)に出場した。当初は周囲の選手の上手さに自信を失っていたが、短期間でアンリ自身、周囲も驚く急成長。U-19東ティモール代表との決勝では豪快ヘッドを叩き込み、コーチ陣に「覚醒したな」と言わしめた。

 自信を得て尚志に合流したアンリだが、股関節痛によって3月から7月はじめまで離脱。インターハイが中止になり、活躍の場も失った。だが、尚志のトレーナーとともにリハビリ、筋力トレーニングへ取り組んだアンリは「身体のバランスとか良くなったし、動けるようになりました。1対1も強くなったし、足の速さも速くなった」という。この日は得意のヘッドを披露するシーンこそなかったものの、絶妙なフィードで3点目の起点となるなど、攻撃面でも勝利に貢献。思うようにサッカーができない期間でも精力的に自分を伸ばしてきたことを印象づけた。

 仲村浩二監督はアンリについて「良くなっています。筋量を上げたし、可動範囲も広くなっている」と頷く。粗さがあったり、コーチングの部分など課題があることは確かだが、伸びしろは十分。まだまだ「覚醒」は続くか。「今年は活躍しないといけない。一つ一つのチャンスを大事にしなければいけないと思う」と語る“尚志のアンリ”が、さらに成長を続けて全国、世界で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
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