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“点差をつけて勝つ”目標通りに決勝で4-0。青森山田が総体代替大会制し、県内363連勝!

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青森県内での公式戦連勝記録を363へ伸ばした青森山田高イレブン

[7.26 青森県高校夏季競技大会決勝 青森山田高 4-0 八戸学院野辺地西高 青森山田高G]

 青森山田が青森決勝で改めて強さを示す――。青森県高校総体サッカー競技の代替大会、令和2年度青森県高校夏季サッカー競技大会決勝が26日に青森山田高グラウンドで開催され、昨年度プレミアリーグ優勝、全国高校選手権準優勝の青森山田高八戸学院野辺地西高に4-0で快勝。20年間に渡って続く青森県内での公式戦連勝記録を363へ伸ばした。

 県決勝で4-0。シュート数は18-0だった。八戸学院野辺地西との対戦は一昨年度の選手権予選決勝が2-1、昨年度の選手権予選決勝は0-0からのPK戦の末の白星。いずれも緊張感のある決勝で隙をほとんど見せずに勝ち切った試合だが、苦戦した印象も残してしまった。だが、今回はしっかりと内容、スコアで差を示しての勝利だ。

 青森山田の黒田剛監督は「点差として、実力差をしっかりと見せつけることが彼ら(選手たち)の大きなモチベーションだった」と語り、U-18日本代表CB藤原優大主将(3年、浦和内定)も「青森山田に野辺地西は近づいてきているんじゃないかという声が聞こえてきていますけれども、『青森県は青森山田が1強だよ』と。青森山田は青森県を引っ張ってきたチームなので、絶対に負けられない」と頷く。

 差を示すために“点差をつけて勝つ”ことを目指して臨んだ一戦で、堂々の内容とスコア。新型コロナウイルス感染拡大の影響でインターハイ予選が中止となったものの、この優勝は00年から守られてきた「青森で勝ち続ける責任」を今年の代も果たす勝利でもあった。

 今大会、ここまでの3試合は63得点無失点。試合前から気合十分の青森山田は立ち上がりから野辺地西を飲み込もうとする。勢いのある攻撃でセットプレーを獲得し、右SB内田陽介(3年)のロングスロー、またCK、FKから相手ゴールを脅かす。2分に新10番のU-17日本代表MF松木玖生(2年)が決定的なヘッド、さらにオーバーヘッドシュート。7分には、19年U-15日本代表MF小原由敬(2年)の突破から内田の放った右足シュートがクロスバーをかすめる。

 そして9分、左サイドを抜け出した大型SBタビナス・ポール(3年)が、ラストパスを警戒する相手の意表を突く形でゴール前まで持ち込んでそのまま右足シュート。GKの脇を抜く一撃で先制点を叩き出した。
 
 青森山田は畳み掛けようとするが、実戦が不足している影響で細かな連係、ボールタッチの精度はこれから。18分に藤原の奪い返しから松木がPAへ持ち込んで右足を振り抜いたが、これは野辺地西DFがブロックする。

 青森山田はその後も運動量多くボールを引き出すMF安斎颯馬(3年)やMF宇野禅斗(2年)、松木の配球に、再三右サイド深い位置へと切れ込んでいた内田、最前線でキープするFW古澤ナベル慈宇(3年)が絡む形で多彩な攻撃。そして、MF仙石大弥(3年)や安斎へラストパスが通るが、気持ちが前のめりになりすぎたか、決定的なシュートを外してしまう。

 野辺地西は序盤に痛い失点を喫したが、その後はCB堀田玲穏(3年)とCB風穴真苑(3年)を中心に我慢強い戦い。決定機を作られていたことは確かだが、プレッシング、球際の強度を継続して何とか食い下がり、セカンドボールを回収するなど相手の連続攻撃を断ち切っていた。

 そして、飛距離十分のGK鈴木奏汰主将(3年)のロングキックも戦術に加えて反撃。キープ力の高いMF佐々木琉矢(2年)やMF秋濱昂志(3年)がドリブルで仕掛け、左SB小野流聖(3年)のロングスローなどセットプレーからゴール前のシーンを作った。昨年、一昨年と全国大会で青森山田と対戦したチーム以上に接戦を演じたことは自信に。今回も強敵相手に渡り合う時間帯を増やし、相手ゴールをこじ開けようとする。

 だが、青森山田は相手のロングボールに対して藤原が圧倒的な高さを発揮。鉄壁の守りを見せる藤原をはじめ、CB秋元琉星(3年)や183cmGK韮澤廉(3年)もゴール前で落ち着いて対応する。また、守備範囲の広い宇野や守備面でも存在感を示す松木がセカンドボールを支配して後半は相手にシュートシーンだけでなく、攻撃機会も満足に作らせない。

 青森山田は負傷の古澤に代わって投入されたFW名須川真光(2年)の推進力ある動きも活かして攻め続けると15分、松木のスルーパスに反応した安斎がPKを獲得。これを藤原が右足で蹴り込んで2-0とした。さらに21分には右サイドを宇野と交代出場MF藤森颯太(2年)で攻略し、最後は小原が鮮やかな右足ボレーで沈めて3点目。これでやや士気が落ちてしまった野辺地西に対し、青森山田はピッチを広く活用した攻撃から追加点を狙う。

 30分には左サイドをタビナス、小原、松木の3人の連係で打開。松木のスルーパスからタビナスがクロスを上げると、これを安斎が足先で合わせて4点目を奪った。その後も手を緩めることなく攻め続けた青森山田が4-0で快勝。県決勝で強さを示して頂点に立った。

 近年、青森山田は“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグでの厳しい戦いの中で自分たちの課題に気付きながらその都度改善し、プレミアリーグ優勝や選手権制覇に繋げてきた。今年はインターハイ、プレミアリーグが中止となるなど、例年とは違う一年に。それでも、彼らは公式戦ができなくても一喜一憂することなく、“青森山田らしく”高い意識を持ち続けて成長を目指してきた。

 そして、待ちに待った公式戦で圧倒的な強さを発揮。黒田監督は「サッカーを満足にできない地域がある中で、1つの大会ができることに感謝したい。1日1日、1試合1試合を無駄にしないように。サッカーできない時期にできた成長もある。それがプラスに変えられるように、個人個人の成長に上手く繋げて行きたい」と期待した。

 目標はもちろん、選手権制覇だ。18年度大会日本一、19年度大会で全国2位を経験している藤原は「あの(決勝の舞台)埼玉スタジアムというのは良くも悪くも思い入れがあるので、やっぱりあそこで優勝旗を掲げるというのが近々の一番の目標ですし、その瞬間のためにチームとして苦しいこともこだわってやっていきたいと思っています」。これまで雪国のハンデを乗り越えて結果を残し続けてきた青森山田。逆境の一年でも高い意識を持ち続けて強い個、チームとなって再び冬に輝く。

(取材・文 吉田太郎)
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