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日韓W杯決勝の主審務めたコッリーナ氏「VARはまだ5歳だ」

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ピエルルイジ・コッリーナ氏

 国際サッカー連盟(FIFA)で審判委員長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏がワールド・フットボール・サミットのオンライン会議に出席し、ビデオ・アシスタント・レフェリーの現状に言及した。「VARはまだ5歳だ。それはいま学んでいる少年であり、確実に進歩していくだろう」と明るい展望を語っている。

 コッリーナ氏は2002年の日韓ワールドカップで主審を務めた元世界トップの審判員。60歳になった現在はFIFAの審判委員長として後進の育成やルール改正の議論を牽引している。サミットではスポーツチャンネル『ESPN』の記者がVARに関する質問をコッリーナ氏にぶつけた。

 まずVARがもたらした効果について。コッリーナ氏は「主審が下した間違った判定をVARが修正した場合、最初の間違った判定を覚えている人々は誰もいないだろう。もちろんわれわれは主審と向き合い、主審が最初に下した判定に気を払うのが仕事だけど」と指摘した上で「間違った判定の試合はレフェリーのキャリアを殺すことができる」と不在時のデメリットを力説した。

 また「最終決定を使用するのは人間であり、最後には人間が存在する。ご存知のように人間は完璧ではない」と述べ、VARでも誤審を完全になくすことはできないことを説明。それでも「FIFAにできるのは教育プログラムで各協会をサポートし、VARの統一性を保ち、一貫した判定ができるように一貫した評価を行い、ピッチサイドモニターを使うよう求めることだ」と精度を高めていく意欲を語った。

 さらに現状はゴールラインテクノロジーのように自動判定を行うものではないが、オフサイドなどにおいては「ソフトフェアなどによってもたらされる最終決定により向かっていくだろう」と指摘。テクノロジーのさらなる拡張について「判定を受け入れやすくするのに役立つかもしれないため、いま取り組んでいるところだ。VARはまだ5歳だ。それはいま学んでいる少年であり、確実に進歩していくだろう」と展望を語った。

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