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[和倉ユース]帝京大可児が序盤の連続ゴールなどで習志野に快勝。今大会で名を上げて選手権へ

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前半3分、帝京大可児高CB犬飼叶都(14番)が先制ゴール

[8.3 和倉ユース大会予選リーグ 習志野高 1-5 帝京大可児高 和倉多目的G(Aコート)]
 
 第8回和倉ユースサッカー大会2020は3日、予選リーグ最終節を行った。グループCの決勝トーナメント進出を懸けた一戦、帝京大可児高(岐阜)対習志野高(千葉)戦は帝京大可児が5-1で快勝。2勝1分のグループ首位で決勝トーナメント進出を果たした。

 2010年度からの10年間で5度選手権に出場している岐阜の強豪・帝京大可児と、選手権出場15回(優勝2回)、インターハイ出場18回(優勝1回)の歴史を持つ千葉の伝統校・習志野との一戦。試合は、序盤に連続ゴールを挙げた帝京大可児が勝利へ大きく近づく。

 3分、右CKがファーサイドへ流れると、FW大森涼(3年)がドリブルからクロス。GKが弾いたところをCB犬飼叶都(3年)が詰めて先制点を奪う。さらに8分には、右CKの競り合いで犬飼がファウルを受けてPKを獲得。このPKを犬飼が自ら右足で決めて2-0とした。

 11分にも、MF鈴木淳之介(2年)のスルーパスで大森が右サイドを抜け出す。そして、GKを引きつけて中央へ折り返すと、フォローしていたMF渡邉眞士(3年)が右足でゴールへ流し込み、3-0とした。

 帝京大可児は「チームのリズムを作ったり、ゲームの状況を見ながらコントロールしていきたい」という1ボランチのMF小宅空大主将(3年)や注目の2年生MF鈴木、MF遠藤颯(3年)、渡邉が1タッチ、2タッチのパスを連続で繋ぎながらボールを支配。そして、大森らがサイドから鋭い仕掛けを見せてゴールを襲う。

 習志野は悪い流れの時間帯に立て直すことができないまま3失点。そこからようやくギアが上がり、右クロスの折り返しから左SB磯部陸斗(3年)が決定的なシュートを放つなどチャンスも作る。

 だが、次の1点も帝京大可児。後半4分、自陣からスピードのあるパス交換で一気にPAへ迫ると、最後は鈴木が右足ループシュートを決めて4-0とする。習志野も5分にMF加藤怜(3年)の左CKをMF細井響(2年)が豪快ヘッドで決めて1点を返す。

 ただし、帝京大可児は慌てない。小宅が「焦って攻めてカウンター食らって失点するよりは落ち着いてボールを回すのが自分たちのサッカーなので、ボールを回して失点せずに試合を進められたら良いと思っていたので良かったです」と振り返る。落ち着いてゲームをコントロールしながら、したたかに5点目を狙っていた。

 小宅が「ボールを失う回数がまだまだ多いですね」と反省したように、ミスが増えていたことも確か。対して、習志野もボールを奪ってから素早く攻撃へ転じ、相手DFラインへ仕掛ける。そして、右SB加藤大雅(3年)がスピードのある攻撃参加からクロスを上げ切るなどゴール前のシーンを増やしたが、ラストパスやその前のパスを引っ掛けてしまうなど攻め切ることができない。逆に帝京大可児は試合終了間際に小宅がヘディングシュートを決めて5-1で試合を終えた。

 帝京大可児は16人のみのメンバーで今大会に参加。暑さもあり、体力的に厳しい戦いだが、それでも予選リーグ3試合で11得点を奪うなど、強豪相手に印象的な戦いを続けている。昨年から再び指揮を執っている仲井正剛監督が「16人なので自分たちで落としたところもありましたが、(今年は)良いと思います」と期待を寄せるチーム。選手たちもこの和倉ユース大会へ野心を持って臨んでいる。

 小宅は「僕らの野心と言いますか、みんなで話しているのは、この遠征で全国的に有名になって、選手権でベスト8、ベスト4、行けたら優勝まで狙っていきたい」。4日の和倉ユース準々決勝は履正社高と対戦。強豪対決を1つ1つ勝ち抜いて名を上げる。

帝京大可児高の中軸、MF小宅空大主将は1ゴール


(取材・文 吉田太郎)
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