beacon

[MOM3177]日大藤沢MF猪狩祐真(3年)_川崎F U-15出身。「誰にも止めて・蹴るは負けない」を表現

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.3 和倉ユース大会予選リーグ 山口U-18 1-1 日大藤沢高 和倉多目的G(Cコート)]

 日大藤沢高はJクラブが関心を寄せる超大型FW鈴木輪太朗イブラヒーム(3年)が怪我で不在。だが、他の選手たちが「ワディ(鈴木) に全部持っていかれるのは悔しい」と奮闘し、予選リーグを首位通過した。

 特にインパクトある動きを見せているのが、MF猪狩祐真(3年)だ。ライバル校の指導者も印象に残った選手として「日藤の14番」を挙げていたが、クオリティの高い動きでチームを牽引している。

「高1から高3まで『誰にも止めて・蹴るは負けない』という意識でやっています。試合では周りと違いを出せるようにやっています」と猪狩。身長は160cm代と小柄だが、川崎F U-15出身でボールを止めることへのこだわりが特に強いMFは思うようにボールを止め、相手の足も止め、スルーパスやドリブル、シュートへ持ち込んでしまう。

 この日も止める・蹴るの精度の高さを発揮した。前半からスルーパスなどでチャンスの起点になり続け、ゴール前へ飛び出す動きから決定的なシュート。佐藤輝勝監督が「こだわりをもってやってくれている。昨年の悔しさが彼を伸ばしている」というMFは、存在感のある動きでチームのグループ首位死守に貢献した。

 昨年は選手権予選直前に鎖骨を骨折。国体神奈川県選抜に選ばれていたが、欠場することとなり、選手権予選も出場することができなかった。だが、「辛い時期だったんですけれども、そこでいかに自分と向き合っていけるかが、怪我が明けた時のパフォーマンスにも繋がる」と前向きに取り組んだ猪狩は佐藤監督に努力を認められる形で選手権全国大会の仙台育英高戦で途中出場。チームは敗れたものの、選手権を経験して今シーズンを迎えている。

 昨年までは味方を活かすことに重きを置いてプレーしていたが、今年は「自分でも取りに行ける選手にならないといけない。味方も活かして自分でも行ける選手にならなければいけない」と変化。この日は決定的なシーンに顔を出しながら焦りがあって決め切ることができなかった。だが、4日から始まる決勝トーナメントでは、こだわって自身のゴールでチームを勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第8回和倉ユースサッカー大会2020特設ページ
●【特設】高校選手権2020

TOP