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[和倉ユース]鵬学園は矢板中央の猛攻に耐えるも、勝機逸してグループ3位。悔しさを進化の糧に

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前半29分、鵬学園高MF判治海斗がGKをかわして先制点

[8.3 和倉ユース大会予選リーグ 矢板中央高 1-1 鵬学園高 和倉多目的G(Aコート)]

 3日、第8回和倉ユースサッカー大会2020予選リーグ最終節が行われ、グループDで矢板中央高(栃木)と鵬学園高(石川)が対戦。1-1で引き分けた。勝てば2位浮上と決勝トーナメント進出を決めることができた鵬学園だが、得失点差でレノファ山口FC U-18(山口)を上回ることができず、グループ3位に終わっている。

 1月の全国高校選手権で3度目となる3位に入った矢板中央と、同大会でV候補の一角・京都橘高(京都)を破ってベスト16入りした鵬学園との一戦。両校は同選手権の3回戦で対戦し、2-0で矢板中央が勝利している。前半はリベンジに燃える鵬学園が両翼の攻撃力を活かしてゴールへ迫った。

 今大会を通じて好調だという俊足MF判治海斗(3年)と技巧派レフティーMF鈴木嶺騎(3年)の両ワイドが得意の仕掛けでチャンスを作り出す。そして、前半29分にはGK藤原洸生(3年)のゴールキックを起点にFW佐藤瑠哉(3年)のスルーパスで判治が抜け出す。そして、GKを左側からかわして先制点を流し込んだ。判治は「前に出たボールならばスピードで行けると思っていたので、落ち着いてGK外して最後は流し込めたので良かったです」。決勝トーナメント進出へ貴重な1点を挙げた。
 
 対する矢板中央は主将のDF坂本龍汰(3年)や大型ボランチMF新倉礼偉(3年)、日本高校選抜候補GK藤井陽登(2年)が不在。前半はCB島崎勝也(2年)中心に相手の攻撃を跳ね返し、サイドからのクロスや右SB小出勇翔(2年)のロングスローから攻めていたが、0-1で前半を折り返した。

 ここまで2敗の矢板中央は後半、非常に気持ちの入った攻撃。高橋健二監督の檄を後押しにクロス、セットプレーから身体を投げ出してゴールをもぎ取ろうとする。そして7分、MF升田大誠(3年)の右CKをMF大畑凜生(2年)が頭で合わせて同点。その後も升田の右クロスからFW多田圭佑(3年)が放った決定的なシュートや、左SB木村匠汰(1年)のロングスローなどで勝ち越し点を狙う。

 だが、鵬学園もGK藤原の好守が見せたほか、1年生の大型CB八十島陸翔が矢板中央得意のエアバトルで渡り合う。シュートブロックの部分でも健闘していた八十島やCB内山仁(3年)中心にゴール前で粘り、攻撃に繋げた。

 そして、試合終盤には判治のラストパスから鈴木が決定機を迎え、右サイドを突破したMF佐々木優太(2年)のドリブルシュートがゴール前を横切る。勝ち越しのチャンスを作ったものの、歓喜を呼び寄せることはできなかった。

 引き分けて決勝トーナメント進出を逃した鵬学園の赤地信彦監督は、ここで青森山田高のような「奪い切る強さ」「勝ち切る強さ」の不足を指摘。一方で選手たちがこの悔しさをバネに一回り、二回り成長してくれることを期待していた。

 判治は「(矢板中央には)去年も負けて選手権で。絶対に勝ちたかった。(和倉ユース大会は)全国から強豪が来ると聞いていて、総体がなくなって『総体の代わりだ』と赤地先生にも言われていたので気合入れてやっていました。チーム全体で失点の前のプレーとか締めていければ勝てたと思う。そういうところがまだ弱かったので、選手権までに直していきたいです」。今大会のベスト8との差を埋めて、選手権ではまず全国大会への連続出場を果たすこと。そこでベスト8、ベスト4以上へ挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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