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“染野を苦しめた”学法石川CB大津平嗣が大学トライアルで実力発揮。「プロの場でもう一回戦えるように」

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昨夏、尚志高FW染野唯月(現鹿島)相手に健闘したCB大津平嗣(学法石川高)。この日は空中戦やフィードでアピール

 “染野を苦しめたCB”が大学サッカーを経て、プロでの再戦を狙う――。「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」茨城県開催(8日)にCB大津平嗣(学法石川高)が参加。181cmの長身DFは攻守両面で他を一段階上回るようなプレーを見せていた印象だ。

 湘南DF坂圭祐のような滞空時間の長い跳躍から打点の高いヘッド。この日はそれほど空中戦やゴール前の粘り強さを発揮する機会がなかったが、鋭い出足から相手FWの前に深く入り込んでの潰し、背後のケアもソツなく無失点で終えた。

 また、フィード、ビルドアップの部分でもアピール。ボールを持ちすぎて狙われたシーンもあったが、今年の東北高校新人戦2位・学法石川で主将を務めるCBは、初めてプレーする選手がほとんどという中でコーチング含めて存在感を放っていた。

「今、コロナの影響で思うようにサッカーができない中でのこういう場だったので、まず思い切りやろうと思いました。自分の長所であるロングボールとヘディングの回数はあまりなかったですけれども、そういう部分も出せれば良いかなと思ってやって、良いように出たので良かった」

 大津は昨年のインターハイ福島県予選決勝でFW染野唯月(現鹿島)擁する尚志高と対戦。大津は最注目ストライカー・染野を徹底マークし、懸命に身体をぶつけて食い下がった。終始主導権を握られる展開だったが、振り切られ、シュートまで持ち込まれても、諦めずに身体を投げ出すなど抵抗。得意の空中戦で幾度か競り勝つシーンもあった。

 前後半計70分間は染野にゴールを許さず、内容も十分に“苦しめた”。延長後半終了間際、染野に決勝ヘッドを決められて敗れたが、「今もJで活躍している選手に対して同等のプレーができたというのは凄く今の自分のプレーにも影響していますし、これから先のプレーにもずっと繋がって来ると思います」という自信になっている。

 だが、コロナ禍によって大津の進路は未定。鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身の大津は今回、地元・茨城県で開催される大学トライアルにチームの許可を取って参戦した。中学時代のチームメートもいた中で、やりやすさも感じながらアピール。大津には目指す場所がある。それはプロ。そして、染野と再戦することだ。

「自分もプロを目指しているので、プロの場でもう一回戦えるようにもっと成長して。そのためにも関東の大学でやりたい」。他地域の大学も考えたというが、第一希望は関東の大学進学。“染野を苦しめたCB”は打倒・尚志を目指すと同時に、自分の可能性を広げるために大学関係者へのアピールも続ける。 

(取材・文 吉田太郎)
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