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[和倉ユース]青森山田相手に高さ示すも敗戦。日大藤沢CB宮川歩己主将はより自分が「チームを引っ張っていければ」

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日大藤沢高のCB宮川歩己主将は青森山田相手にも高さで十分に対抗

 昨年度選手権16強・日大藤沢高(神奈川)のCB宮川歩己主将(3年)にとって、第8回和倉ユースサッカー大会2020は自身への新たな手応えと、より自身とチームがレベルアップする必要性を実感する大会となった。

 準決勝で昨年のプレミアリーグ王者・青森山田高と対戦。宮川は自陣ゴール前で制空権を握っていた。青森山田のセットプレー、クロスといったパワフルな攻撃に負けず、持ち味の高さを存分に発揮。宮川は昨年度の選手権で神奈川県予選初戦から0-0のPK戦で敗れた全国3回戦・仙台育英高戦までわずか1失点という堅守に貢献し、日本高校選抜の1次選考会メンバーにも選出されている。そのCBは、カバーリングの部分含めて青森山田相手にも個で渡り合う力があることを示した。

 CBでコンビを組んだ万能型DF牧来夢(3年)も能力の高さを活かして奮闘。同じく昨年からの経験者であるGK濵中英太郎(3年)ら含めてよく戦っていた印象だが、数人が「やれた」ことで勝てる相手ではない。前半21分にCKのこぼれ球を押し込まれて先制されると、後半2分にはCKのオウンゴールで0-2。グラウンダー勝負に持ち込むことができず、相手の土俵で戦ってしまった日大藤沢はさらにサイドから崩されて0-3で敗れた。

 対戦相手・青森山田の中心にいたのは浦和内定のCB藤原優大主将(3年)だ。スコアが逆であれば評価されたのは宮川の方だったかもしれない。だが、結果は個の凄みも発揮した藤原中心に守備を徹底し、日大藤沢にほぼシュートすら打たせなかった青森山田の快勝。宮川にとっては自身、チームが「このままではいけない」と感じさせられる一戦となった。

「自分だけやれていてもチームが勝てなかったら意味がないと思うので、そこをもっと突き詰めていかないといけない。そこはちょっと悔しい部分であります。まだまだ甘い部分があったので、個人でもっと勝てる選手を増やしていかないといけない。(また、)自分が失点をどう防ぐかということにもっとフォーカスしてやっていかないと、自分にもCBとして原因があると思う」

 青森山田のチーム全体が同じ方向を向く姿勢は参考になった。そして、藤原の存在は同じプロを目指す宮川の目標になった。「彼も内定決まって改めて肌で感じて凄さを確認できたし、ああいう選手に勝っていかないと自分の目標であるプロになれないと思う。自分としても一つの目標になりました。自分をもっと高めないと、自分よりももっと上がいるし、謙虚にやっていかないと自分としても成長しないと思うので、もっと俺がプレーでも、統率力としても、チームを引っ張っていければ失点も含めてですけれども、ああいう相手にもっと戦えると思いました」。成長を示した宮川だが、さらに前を行く選手に追いつき、追い越すためにレベルアップする。

 宮川は和倉ユース大会が開催されたこと、この大会に参加できたこと、神奈川県外の強豪校と対戦できたことに感謝する。「本当に色々な方々のお陰でこの大会をやらせてもらっている。この山田戦がなかったら自分たちは選手権にも、まだまだフワッとした気持ちで入っていたかもしれない。山田もそうですけれども、県外のチームとやれたことが凄く良い経験になったので、この経験を22人全員が持ち帰ること。神奈川にいる選手、ここから伸びてくる選手もいます。日藤全員で一体感を持ってやることが良いところですし、今回は交代出場した選手が点を決めて逆転という試合もありました。(佐藤輝輝)監督も『誰が出ても強いチームであることが大事』だと言っていますし、ここに来れなかった選手でも選手権に出る舞台はあるので、そこに向けて全員でやっていければ良いと思います」。

 昨年の日大藤沢はCB青木駿人主将(現日本大)を中心に夏以降、守備を磨き上げ、攻撃面の良さをより発揮。その結果、インターハイ全国王者の桐光学園高を破って選手権出場を果たしている。和倉ユース大会で宮川と日大藤沢は青森山田や他の強豪校と対戦したことで自分たちが目標とする日本一までの距離を確認。リーダーの宮川は自分が中心になってチームをまとめ、個人の力とチーム力を進化させて目標達成へ挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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