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試合中止相次いだJリーグ、濃厚接触者の特定に“独自基準”も設定へ

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村井満チェアマン(オンライン会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット)

 Jリーグは11日、第13回臨時実行委員会を行い、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者が公式戦のキックオフまでに特定できない場合、今後は濃厚接触の疑いがある者を独自基準に沿って暫定的に判定するという方針を決めた。

 実行委員会終了後、報道陣向けのオンラインブリーフィングに出席した村井満チェアマンは「少しでも早く自主判断していくことで(濃厚接触の疑いがある者を)隔離した上で開催に向けた準備をしていく」と説明。あくまでも正式な最終判断は保健所に委ねられるといい、「暫定的な内容となるので、保健所の判断が出たらすべて合わせていくことになるし、Jリーグの見立てを保健所の指導を受けながら微修正することもありうる」と見通しを語った。

 Jリーグでは6月27日の再開以降、J1第7節のサンフレッチェ広島対名古屋グランパス、J2第9節の大宮アルディージャ対アビスパ福岡の2試合が中止となった。理由はいずれも、選手から陽性反応が確認された後、保健所による濃厚接触者の特定がキックオフに間に合わない見込みとなったため。もし濃厚接触者の特定を迅速に行うことができていれば、隔離した上で試合開催ができる可能性が高かった。

 Jリーグの判断は、これまで各地の保健所から提示された前例基準を参考にするといい、村井チェアマンは「ブラックボックスの中で都合の良い判定をするより、Jリーグで陽性者が出て、濃厚接触を提示したようにファクトを社会に共有しながら、論拠や根拠を提示することで客観性を持たせたい」と述べた。

 なお、ブリーフィングでは以下のような前例が示された。

●濃厚接触にあたる例(原則、発症日の2日前以降の接触を確認)
・1m以内、マスクなしで15分以上会話した者
・陽性者と日常的に接触している者(通訳と担当選手、寮で同室など)
・陽性者と一般の飲食店で飲食を共にした者
・陽性者と複数人で1時間以上の会食を共にした者(発症5日前以降が対象)
・移動中などに陽性者の隣席で飲食し、距離、食事時間、会話、食事前の手指消毒などに注意を払わなかった場合
・48時間以上連続する発熱、咳、身体のだるさのある者は「陽性疑い」とし、彼との濃厚接触疑いにあたる者はいないか確認する

●濃厚接触にあたらなかった例
・発症前日にベンチ入り
・検体採取の2日前に45分間出場
・通訳が発熱前日にトレーニング参加
・通訳が発熱日、ホテルでミーティングに参加
・通訳が発熱日、スタジアム更衣室に出入り
・陽性判定前のチームトレーニング(別メニュー)
・発症日にマスクをつけて新幹線移動
・通訳が発熱日、スタジアムへのバスに同乗
・陽性者をレンタカーに乗せて数時間運転、マスク・換気あり
・選手寮の料理スタッフが発症前日に勤務(マスク、手袋でケア)

※あくまでも前例によるもので、今後の判断を確約するものではない。

(取材・文 竹内達也)
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