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“学館のアザール”。快足活かしたドリブルとラストパスで魅せた東京学館MF西田至

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FW西田至(東京学館高)は抜群のスピードやラストパスの巧さで存在感

 3ゴールを挙げたFW緑川海音(白井高)に主役の座を奪われたものの、存在感は上回っていた印象だ。「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」千葉会場2日目に参加したFW西田至(東京学館高)は、50m走る5秒9の快足を活かしたドリブルとラストパスの巧さを発揮して2アシスト。「自分の持ち味は出せたと思います。初対面の人が多かったんですけれども連係もできて、自分の特長のドリブルも出せたので良いセレクションになったと思います」と微笑んだ。

 25分×4本行われた紅白戦の2本目から登場した西田は、いきなりカウンターから右サイドでDFを振り切って大きく前進。9分には左サイドでDFと入れ替わり、FW緑川へスルーパスを通した。この日見せた緑川とのコンビネーションは秀逸。13分には西田のスルーパスから緑川のゴールが生まれ、16分にも左サイドを縦に突いた西田のラストパスから緑川が決めた。

 緑川が「(東京学館とは)結構良く戦うので、相手としたら凄く厄介なんですけれども、味方となると凄く助かりました」と感謝した“相棒”西田の存在。その西田は続く3本目にやや運動量が落ちたものの、左サイドでの1対1でDFを抜き去って決定的なラストパスを入れ、またスルーパスでの抜け出しから決定機を演出していた。

 対戦相手が急造DFラインだったことは確か。だが、相手のギャップを突くスルーパスを連続で通し、DFとのスピード勝負では相手を凌駕した。ゴールライン際で巧みに相手と入れ替わる巧さも。また、DFとの駆け引きで動き出し速くボールを受けたり、内側にポジションを取るなど、オフ・ザ・ボールの部分でも意識高くプレーしていた。

 昨年から東京学館で出場機会を伸ばし、「この高校サッカーで一番成長できた」時間に。対戦相手が上のレベルでも力を出していくことを学び、成長に繋げてきたMFは今回、才能たちの中で力むことなくその実力を発揮した。

 大学トライアルには、「自分がどの位置にいるのか知りたくて、周りと比較して自分がどの位置にいるのか把握してから今後進路どうするのか考えたい」という理由で挑戦。今回の活躍で本人は目線が上がったようだ。自分の力により期待し、より高いレベルでプレーする機会を求めていく。

「憧れの選手がアザール選手で、スピードに乗ったドリブルとゲームメークする力も持っているので、そういう選手になっていきたい。(将来はまだ見えないので、)まずは目の前のところを頑張っていきたい」

 チームでは昨年、十分な結果を残すことができなかった。だが、選手権で輝く可能性も十分にありそう。強豪の選手たちの中で違いを示した“学館のアザール”西田が、大学の練習会や公式戦でアピールを続けてチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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