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コロナ禍でも前を向く…青森山田中と静岡学園中が“全中代替大会”で激突

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[8.16 全国中学校サッカーフェスティバル 青森山田中6-1静岡学園中] 

 第1回全国中学校サッカーフェスティバルが静岡県御殿場市などで開催された。

 今年は新型コロナウイルスの蔓延によるパニックで全国中学校サッカー大会(全中)が中止。サッカー界の育成に大きな影響が及んでいる。

 そこで何とか代替大会が出来ないかと画策。全国の中体連に所属する強豪チームに参加を募り、御殿場市の時之栖のグラウンドなどで、試合を行うことになった。

 16日には2年連続全中準優勝の青森山田中と、昨年度大会ベスト4の静岡学園中が対戦。昨年度の高校選手権で激突した両チームの“ジュニアチーム”による対戦が行われた。

 前日(青森山田が4-0で勝利)に続く対戦だったが、この日も青森山田が序盤からペースを握った。

 前半2分にFW荒木竜の豪快なボレーで先制すると、同9分には波状攻撃から再び荒木が押し込んで加点。そして同11分に裏に抜けたFW山田将太のクロスを荒木が押し込む。荒木が開始11分でハットトリックを決める離れ業をやってのける。

 青森山田の勢いは衰えない。給水タイム直前の前半15分にはMF佐藤大心が直接FKを蹴り込むと、同22分には静学のFW望月飛龍が蹴ったFKをGK鈴木将永が好セーブで弾き出すなど、攻守がしっかりと噛み合った戦いぶりで試合を進めていく。

 後半に入ってもFW三浦陽のヘッドなどで青森山田が加点していったが、後半25分、静学はゴール前で獲得したFKを望月がゴール右隅に蹴り込む。前半のリベンジのFKを決めて、一矢報いた。

 昨今の社会情勢の中、活動が難しくなる中での参戦。直前で参加を予定していたチームの辞退があるなど、大会の開催自体を危ぶむ声もあった。それでも参加チームは感染予防を万全にして、細心の注意を払いながらの参戦を決定している。

 静学の岡島弘高監督は「なかなか試合が出来ないのでやらせてもらえるのは有り難い。うちは基本的には全員が高校に上がるので、全中がなくなったからといって幸いにも選手のモチベーションに影響していない。選手たちにはもっと先をみて、高校に行って活躍しなさいよという話しています」とコメント。

 青森山田の上田大貴監督も「今の3年生は自分たちを高め合いながらトレーニング出来る学年。大会がなくなってしまったことは残念ですが、サッカーがなくなったわけではない。全中は大きな目標ではありましたけど、それだけではない。ショックを隠し切れない時期もありましたけど、こういう大会を開いてもらったりして、選手たちも今は充実して出来ていると思います」と感謝を話していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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